calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>

latest entries

categories

category 2

archives

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2014.07.28 Monday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

「悪徳の褥」 中原一也 / ill.陸裕千景子

圧倒的な雄の魅力を持つ若頭・黒田の出世を望む、二宮。彼は黒田の右腕だったが、何故か彼だけを残し黒田は姿を消す。裏切り者の黒田を殺すため必死に捜すが、そんな彼を嘲笑うように逆に監禁されてしまう。そこで黒田に快楽のすべてを与えられ、喰らいつくされる…。性的不能な二宮は、憎みながらも二対の獣のようにむさぼりあい、我を忘れるほどの愉悦を初めて感じてしまう!嬲られ犯されてもなお追い続ける二宮は、黒田の真意を知り―。

久々のオヤジものじゃない中原さんのヤクザものなのに加え、陸裕さんの艶っぽいカバー絵に惹かれて手に取りました。
いや〜今日日のBLでは珍しい、優等生な経済ヤクザではないシビアでハードなヤクザものでした。

ヤクザの二宮(受)は、18で拾ってもらった時以来唯一敵わない相手として敬愛している組の若頭・黒田(攻)を次期組長にと望んでいますが、組長は息子の舎弟頭を推しており、更には黒田自身がのし上がることに関心がない様子で歯がゆい思いをしています。
ところがその黒田が、二宮に何も告げることなく組を裏切り姿を消す事態が起こる。
一人残されたことで自分の憧憬ごと踏みにじられた気分を味わった二宮は黒田を裏切り者として追うことになりますが、裏をかいてきた黒田によって拉致され、更には黒田に「ずっとお前を女として見ていた」と告げられ犯されてしまう。

大抵のBLならここで二宮は監禁、黒田によって陵辱を受ける日々が続きやがて快楽に溺れるようになって…なんて展開になりそうなものですが、そうはならずに黒田はいたぶりつくした二宮を解放します。
で、自分を徹底的に踏みにじった黒田という男を、二宮は必ずこの手で殺してやると再び追うのですが、そのうちに二宮の中で黒田の存在がそれまでのものとは変わり始めてゆくのです。
というか、自分の中に黒田に対する別の感情があったことに気付き始める。
二宮は過去に父親を殺しておりその時以来性的不能になっていて、黒田が目の前で獣じみたセックスをしていても顔色一つ変えない、という一面があります。
そんな二宮を実は執着していた黒田は、二宮にとって効果的な方法で感情に揺さぶりをかけたというわけです。二宮は、その手にまんまとかかってしまったのですね。
やはり黒田のほうが上手だったということでしょうか。

そんなねじくれたふたりのお話なので、甘さがまるでないです(笑)。
腕もたてば頭も切れる男らしい二宮と、いつもの中原さん的なオヤジではない(でも絶倫w)けっこう残忍な面のある黒田のキャラはなかなか新鮮でしたけれども。
ただ、二宮が黒田に傾いていく過程で何度も「女のように」とか「自分の中の女が」という表現が出てきてちょっと食傷気味;もうちょっとどうにかならなかったのですか;;

エロは割と標準的な感じです。
ハードなお話ですが受けが攻め以外の男と危険な目にとかそういう展開も一切ありません。変わって先程もちらりと触れましたが、攻めが受け以外の相手(男とも女とも;)と受けの前でイタしてしまっているシーンが数回(しかも長い)あるので、苦手な方はご注意下さい。
そして受けではなく攻めの肉体美が全面に出てきているという、ある意味異色作でもあります(笑)。

「兄弟は恋人の始まり」 鳩村衣杏 / ill.陸裕千景子

「お前が弟!?」―母の再婚で28歳にして義理の弟ができることになった小説誌編集者の一。しかし一の前に現れた弟はハンサムな同期の瑳苗だった!!気が強い一と不遜でクールな瑳苗は会えば喧嘩ばかり。だが何より悔しいのは瑳苗がヒット作を連発する敏腕編集で、仕事も口も負けっぱなしなことだった。そんな男となんの因果か義兄弟、しかもひとつ屋根の下で同居する羽目になり…!?働く大人の男たちの「いまさら兄弟上等」ラブストーリー。

そりの合わない同期同士がある日突然義兄弟に、なお話。陸裕さんのコミカルなカバーイラストがいい味出してます。

出版社で編集者として働いている一(受)は、母親の再婚で同期の瑳苗(攻)と義兄弟になることに。
瑳苗は同期でいちばんの出世頭ですが、どことなく不遜な性格で一はそりが合わず、劣等感も手伝って毛嫌いしている相手。
それだけでも頭が痛いのに成り行きで瑳苗の実家で新しい家族として暮らすことになり、新婚ホヤホヤの親たちがハネムーンに出た後、瑳苗とふたり一つ屋根の下で生活する羽目になってしまう。
けれども共に生活し近くで仕事への姿勢を見ていくようになったことで一の瑳苗への印象は変化していき…。

実を言うと義兄弟ものってどこがいいのかいまいちわからなかったりします。兄弟ものなどの近親ネタの禁忌や背徳感にもともと興味がないというせいでもありますが;それに加えて義兄弟ものは中途半端感まで漂って、もうそれなら実の兄弟設定でやれよという気分になってしまう。
ところがところが、これはいい大人のふたり、しかも会社の同期同士がある日突然義兄弟に、という設定がいい味を出していて面白いです。
始めの方の、一と瑳苗の売り言葉に買い言葉的なやりとりがおかしいです。両親そろっての顔合わせのときの一のリアクションが特に笑えました。
ふたりは同じ28歳ですが、一のほうが瑳苗より3ヶ月だけ年上なため瑳苗が時々「義兄さん」と言ったり(笑)、義兄弟設定がいい感じでスパイスになっているのも面白いですね。

で、それまで犬猿の仲(そこまでじゃないか)だったふたりが共に暮らし始めたことでお互いの知らなかった部分に気が付き距離が縮まり…な展開なのかな、と思っていたら、実は瑳苗はずっと一に片思いしていたという予想外の変化球(?)が飛んできてびっくりしました。まさか全て仕組んだことだったのかっ! なオチにもびっくり(笑)。
そんな基本は腹黒い策士タイプなのに、変なところでワンコ(しかもドーベルマンっぽい・笑)な瑳苗のキャラがいいです。傲岸不遜な印象なのにやることがどこかズレているのもなんだかいい(笑)。
一はそんな瑳苗に振り回されながら徐々に恋してしまうという筋書きですが、明るく前向きで女々しいところの全くない彼がなんだかオトメな思考回路になってぐるぐるし出すのがちょっと違うかなーという感じです。。いいお話なんですけれど、だからこそありきたり感がしてしまいました。

がっつり義兄弟もの! っていうのを求めると物足りない作品かもしれませんが、リーマン+義兄弟として読めば面白い作品だと思います。

「王子隷属2 仙孤異聞」 矢城米花 / ill.陸裕千景子

綺国内乱のさなか、弟で王太子の勇圭を守るため仙狐の炎流に隷属し、性奴隷となる契約を結んだ妾腹の王子・紹維。一度は攫われた黒牙のもとから助け出されたが、体内に仕掛けられた蛇の術に操られて勇圭を切りつけると、再び黒牙のもとへ連れ去られてしまう。妄執にとらわれた黒牙は紹維を犯しながら心を失わせる術を施していく。一方、紹維と父王の辛い過去を覗き見た炎流は、子鳳の助けを得ながら単身敵地へと乗り込んでいく。炎流を突き動かすのは、まぎれもない紹維への想い。しかし、運命は生死の境をさまよう紹維に厳しい選択を迫る―。書き下ろしは旅に出た直後の二人を描く新婚編+短編。

1巻に続いての第2巻です。
敵の黒幕・黒牙に捕らわれていた紹維は炎流によって助け出されますが、実は蛇精であった黒牙の術に繰られて弟の勇圭を切りつけて波紋を起こし再び黒牙に捕えられてしまう。黒牙の罠に気づいた炎流たちは敵の打倒と紹維の救出に動き出し、物語は一気にクライマックスに向かいます。
この巻では1巻のように激しいエロシーンが少ない代わりに(笑)、戦いの趨勢や黒牙と紹維の母との因縁とともに紹維、炎流それぞれの過去や感情が丁寧に描かれている印象でした。
何より印象深かったのが紹維との意外な共通点に炎流が気付くところ。
互いに他者に自分を否定されたというやり場のない思いを抱えてこれまで生きてきたふたりは、周囲に当たり散らすかいい子になって必死に縋るかと対処方法は違えど、同じ孤独を抱えていたんですね。
それを知ったことで炎流が紹維をそれまでとは違うように見るようになったことにほっとしました。いや、如何に俺様キャラで人と言うよりは獣と言ったほうがいいような猪突猛進タイプでも、根は決して悪意のない素直ないいやつなのだと分かってはいたのだけれど、頑なで繊細な紹維を解ってやれるんだろうかとちょっと心配もしていたので…(汗)。ここで炎流のポイントが急激に上がりました(笑)
そして寿命の違う者同士が惹かれ合うことへの解決策も物語の伏線と絡めて見事に展開して、最後はちゃんとハッピーエンドなのが心底嬉しかったです。
その後のふたりを描いた書き下ろしの短編で、なかなか素直に「気持ちいい」と言わない頑固者の紹維が狐姿の炎流にもふもふしてあっさり気持ちいいと言ってしまうオチが微笑ましいです。この二人はこの先もお互いに足りないものを補い合いながら仲良くやっていくのでしょうね。

先に激しいエロは少ないと書きましたがそうは言っても矢城さん、受けが攻め以外のキャラに犯られてしまうシーンもあるので苦手な方はダメかも知れませんね。腐りきっている私などは、弟の勇圭とのエピがえーそれで終わり??と物足りなさを感じてしまったのですが;
でも、全編通じてそりゃあ酷い目に遭わされるシーンが多いですが、紹維が最後まで芯が強いのと炎流との絆が深まる結果になっているので、読んで後味の悪い感じにはなりませんでした。
というわけで、エロ度も(笑)ファンタジーBLとしての完成度も高い読み応えのある作品でした。
あ、あと、イラストの陸裕千景子さんのあとがきも必見です(笑)

 ・「王子隷属1 仙狐異聞」

「王子隷属1 仙狐異聞」 矢城米花 / ill.陸裕千景子

綺国の第一王子だが承伏の身分である蔡紹維は、弟の勇圭と共に逃げる途中に魔物に襲われ、仙狐の朱炎流に命を救われる。だが、精気を得るためと無理やりに犯され、毒に倒れた勇圭を助ける代わりに紹維は炎流の性奴隷になる取引をすることになり―。仙狐の炎流に隷属する契約を結んだ王子・紹維の運命は!? 中国ファンタジー・第一弾! 書き下ろしは炎流と仙人・伯子鳳との出会い『仙狐囚縛』。

この間読んだ「魅入られた虜囚」が面白かったので、矢城さんの他の作品も手にとってみました。まずは中華風ファンタジーなこれから。

叔父が起こした謀反が元で国を追われる身となった綺国の王子・紹維(受)は、弟で王太子でもある勇圭と共に逃げる途中、魔物が棲む谷に迷い込み危機に陥ったところを亡き母から持たされていたお守りの玉に封じられていた仙狐の炎流(攻)に救われます。
ところが礼を言おうとした紹維を、久々に娑婆に出て気の立っていた炎流は精気を得るためにと犯してしまう。紹維はそれをひどく恨みますが、転んでもただでは起きずに(笑)助けてほしければ自分の性奴になれとふっかけてきた紹維に、交換条件として何より大切な弟の命を守らせることを誓わせます。
紹維はただ美しいだけでの王子ではなくかなりのしたたか者。頭脳で難をのりきる策士タイプですね。本能の赴くまま生きている単細胞な炎流は、彼にまんまとはめられてしまうわけです。
その後紹維たちは炎流の力を借りて味方の軍勢に合流、敵との戦いに身を投じます。
紹維も紹維も、お互いに実はひかれ合っているのに始まり方が最悪だったためにその距離はなかなか縮まりません。それどころか炎流が欲望のまま毎夜のように紹維を抱きに来るものだから、紹維はますます腹を立ててしまう。
そうでなくても第一皇子であるけれども妾腹の子である紹維は幼少の頃から周囲に王位を狙っているのではないのかと疑われてきて、そのために気を使ってばかりの全然素直な性格ではないから、その真逆の炎流が無神経に思えてならないんですね。炎流は炎流で、自分をまるで頼ろうとしない勇圭を可愛げがないやつだと思う。
このすれ違いがやきもきしますねー。
そんなふたりでしたが、紹維が敵に捕えられるという危機的事態に陥って漸く近づき始めます。

のっけから触手魔物に嬲られたり怪我までするような甘さのまるでない輪姦シーンがあったりと噂に聞くとおりかなりハードなエロ描写の多い作品ですが、ストーリーがしっかり組まれているため単にエロいだけのお話にはなっておらず読み応えがあります。
因みにいちばんエロいと思ったのは、衆人環視の中で透明な蛇に触手よろしく嬲られてしまうところです(笑)。あれは媚薬がなくても見ている人は興奮したと思う(笑)
キャラもいいですね。特に頭は切れるのにいざというときに「助けて」と言えない紹維の不器用な感じがいいです。
  
内乱の原因を作ったらしい紹維の母と敵の黒幕との関わりのことや内乱の顛末などなど、2巻も波乱が続きそうです。勇圭は兄にヨコシマな想いを抱いているっぽいし、そのあたりもどうなるのか楽しみですねー(笑)。

 ・「王子隷属2 仙狐異聞」