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  • 2014.07.28 Monday
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「媚熱」 中原一也 / ill.みずかねりょう

父の失踪の真相は、誰にも知られてはならない──。重大な秘密を抱えて工房を営む、若き鍛治職人の遥人。そこに現れたのは、最も会いたくなかった大親友で幼なじみ──捜査一課の敏腕刑事となった青海だった!!事件捜査で帰郷した青海は、頻繁に訪れては遥人を熱く見つめてくる。この焦がれる視線の意味は欲望か、それとも隠れた罪を暴こうとするものか? 遥人は不安と恋情を煽られて!?

幼馴染みの敏腕刑事×鍛冶職人。ミステリー色の強いお話でした。

父親の失踪事件の真相を隠しながら若き鍛冶職人として工房を営む遥人(受)。彼の暮らす片田舎の町で殺人事件が起こり、幼馴染みで今は捜査一課の敏腕刑事となった青海(攻)が捜査のためにやってきます。
暴かれてはならない重大な秘密を抱えている遥人にとって青海との接触は避けたいものでしたが、成り行きで青海が遥人の家に寝泊まりすることになってしまう。
青海は顔を合わせるたびに遥人に熱い視線を向け、遥人はそれが欲望からくるものなのかそれとも秘密を暴こうとするものなのか判らず戸惑い…。

町で起きた殺人事件と二年前の遥人の父親の失踪事件の真相を追っていくかたちで進むお話。遥人の父親の失踪事件に関しては遥人自身が関わっているらしいが、それは果たして…? というところが大きな読みどころでした。
遥人が実は愛人の子であること、にも関わらず彼が子どもを埋めない遥人の父親の妻によって育てられたこと、育ての母に産みの母親以上の感謝と愛情を持っていてそれゆえに父親を憎んでいたこと、これら遥人の複雑な背景が深く関わってきます。
その辺りの読み応えはあるものの、どちらの事件も真相が私ごときが予想していた通りのものだったという意外性のなさで、もう少し捻りがほしかったです。

ラブ面は、幼馴染みのふたりはすでに互いに惹かれ合っていたけれども遥人が抱える秘密が障害になっているという感じです。その上青海は刑事なのだから、絶対に知られてはならない…みたいな緊迫感も強いです。
こちらはこれをどう乗り越えるのかが見どころですかね。
エロは中原さんにしてはあっさり普通な感じでした。

…てなわけで事件もラブもあっさり…なちょっと物足りない読後感でしたが、ただひとつ、中原さんは受け攻め関係なく「男」の肉体美をエロティックに描くのが上手いなぁと。
このお話の受けの遥人は背中にかつて父親の虐待で受けた火傷の痕があるんですが、そんな背中を見せながら鍛冶仕事をする遥人の肉体描写がエロかったです(笑)。
BLでよくある受けの美しさに着眼した描写ではなくて、あくまでも男としての受けの肉体美にエロスを見出す描写に萌えました!
なので、個人的にはイラストの遥人はちょっと可愛らしすぎるかな。もう少し男っぽい感じの方が良かったかも。

「カグツチ閨唄」 西野花 / ill.みずかねりょう

男に欲情し、交わった者に運を授ける一族・カグツチ。その末裔の奏は、自分の『管理者』の将彦を慕いつつ、彼が命じるまま町の男達に抱かれていた。幾多の男に辱められても、将彦の傍にいられるならいい。そんな諦念と共に。だが歪で平穏な日常は都築と名乗る男が現れ急変する。彼は「この町に人を探しにきた」と強引に近づいてきて…?不穏なものを感じながらも、都築への興味と―例のない強烈な体の疼きが止まらず戸惑う奏。だが、それに気づいた将彦が激しく怒り!?

西野さんの新作は、因習+3Pモノ。
いろいろ美味しい話のはずなのに、なんだか萌えられず…。

主人公の奏(受)は、カグツチという交わった者の運気を上げるという生き神みたいな存在で、カグツチをを守り伝えてきた町の男たちに抱かれている。それは「蜜取り」と言われていて、お話はその「蜜取り」で奏が複数の男たちに弄られているシーンから始まるのでびっくり。
カグツチを管理しているのは鶺鴒とよばれる義父の将彦(攻1)で、奏は彼を慕っています。
カグツチは近くにいるだけで男を欲情させるという、まさにエロのために作られたような(笑)存在ですが、鶺鴒のみがそうではない、という設定。鶺鴒はカグツチに欲情するのではなく、反対に肌に触れただけでカグツチを欲情させるんです。
奏は、自分の置かれている状況がかなり変わったものだと思ってはいても、嫌悪はしていません。快楽にも素直で、愛しい将彦が側に居てくれるのなら幸せだとすら思っている。
けれどもあるとき、奏はこの町について調べに来たという男・都築(攻2)と出会い、彼が将彦と同じく鶺鴒であることを悟りどうしようもなく惹かれていく。そして、都築が前のカグツチでもある奏の亡くなった母と関わりがあったことが明らかになる。

正直、なんでここで奏と都築が??な唐突な展開です。まぁそれはふたりがカグツチと鶺鴒だったから、と言われればそこまでなんですが、このお話、全般その設定に頼りっぱなしで、肝心のキャラの心理描写が弱いです。なんで彼に惹かれたのかとか肝心なところさえも納得できないために感情移入できにくく、お話にいまいち乗り切れません。 
その後も先の読めてしまう展開が続いてラストになるんですが、因習、身代わり、3P、等々いろんな要素が入り込みすぎてどうにも消化しきれていない印象。
あと、3人での場面はラスト一回のみなので3Pモノとして期待すると肩透かしかもしれません。3Pモノというよりは、そうなるまでの過程を追った内容と言ったほうが正しいのかも;
というかこれ、無理に3人にしなくても良かったんじゃないのかと。将彦は鶺鴒であるから自分によくしてくれているのかと悩む奏の気持ちに沿ったかたちでお話を進めるとか、生き神さまとそれに惹かれる男の話とかだったらラブロマンスとして盛り上がった気がします。でもそれだと西野さんのデビュー作の「鎮守の杜の虜囚」とかぶっちゃうか。。

エロの方は複数、尿道攻め、二輪挿しなどなどこれでもかというほどてんこ盛り状態ですが、それも感情移入できるお話があって初めて萌えられるものなのかも、と思ってしまいました。
まわりくどい設定とかは抜きにして純粋にエロいBLを読みたい! という方じゃないと楽しめない気がします。。
いいとこ取りのはずが結局はすべての要素が散漫とした印象の作品でした。

「月下の盟約―軍華繚乱」 西野花 / ill.みずかねりょう

大戦が終結し、ミカサ海軍少佐の志月は死を賭して出撃した恋人・藤倉との再会を待ちわびていた。だが帰還した彼が伴う人物を見て愕然とする。それは以前、自分が拒絶した後輩・鷹矢だった。さらに藤倉に「鷹矢と2人でお前を抱く」と宣言され!?抵抗も空しく、志月の体を知り尽くす藤倉と、過去を恨むような鷹矢に責め嬲られ、心身共に屈服してしまう。―自分を慈しんでくれていた藤倉が、なぜ?深い嘆きと羞恥の中、歪み爛れた関係に堕ちていく志月だが…。

花丸文庫化から出ている「月の真珠―咲き乱されし皇子」と同じ架空の世界のミカサ皇国が舞台の軍人さんたちの3Pなおはなし(笑)ですが、登場人物がかぶっているわけでもないので(こんなエピソードがありましたよ程度に触れられているくらい)前作を読んでいなくても大丈夫です。かくいう私も前作は読んでいません。

遊郭育ちの志月(受)は自分をどん底から身請けしてくれた海軍軍人の藤倉(攻1)に身も心も捧げ、自らも同じ軍人の道を進む。藤倉は敵国ヴァージニア帝国との戦に備えて軍艦に乗り込み出撃していたが、戦が回避されて帰還。安堵と歓びに包まれ迎えに行った志月だが、藤倉が伴っていた男に愕然とする。それは、かつての後輩で自分を慕っていた鷹矢(攻2)だった。志月は彼の想いを拒み、以来疎遠になっていた。それから藤倉は、これからは鷹矢とふたりで志月を抱くと言い出して実行、志月は混乱します。おまけに藤倉は、仕事でも志月に鷹矢を付けさせる始末。
始め、遂に藤倉に飽きられてしまったのかと志月は思うのですが、そうではなく、藤倉が鷹矢を加えたのは志月を想うため。軍人といういつ死んでもおかしくない自分がいなくなったとき、志月のそばに誰かいてやってほしいという願いからなんです。でも、心底想う人にこんなことするかなぁとか、他の男に抱かれて感じている姿に平気なんですかとか余計なことを色々考えてしまいます(笑)。藤倉がここまで志月に惚れ込んでいる理由もいまいち伝わってこず、ちょっとストンと落ちてこないですね。残念。

さて、西野さんの3Pものということで、当然エロには期待してしまいましたが(笑)、3人の場面はわりとあっさりしています。といっても二輪挿しとかありますし、あくまで西野作品にしてはという評価です。複数ものを全く読んでいない方には色々衝撃的だと思いますが、何なんでしょうね、だいぶ慣らされてきちゃったのかな。。
あと、攻ふたり意外にも、本番行為はないですが複数の男達に陵辱されてます。そういうのが苦手な方はご遠慮ください。
本音を言えばまぁ、挿入はなしなんてヌルイことしなきゃいいのに…とか鬼なことを思ってしまいました。というか男ってこういう時に最後までやらずにいられるものなのか? とか身も蓋もない疑問にもやもやしてしまいます。そんなことを言っているのは私くらいか(苦笑)。スミマセン。
あと、読みながら西野さん軍人好きなんだなと思いました。いいですよね、軍服萌え…! でも、…でも、みんな若い、若すぎる…! 渋いおじさん軍人もステキだと思っているで、ちょっと物足りないかも。そして、まだまだ若い藤倉が志月を身受けしてしまうのってどんな階級社会よ? とか突っ込んでしまった(笑)。ファンタジーだなぁ。

それにしても、最近増えましたね3Pもの。まだまだキワノモ扱いですが、いろんなレーベルからいろんな作家さんのものが出ていて、少し前ではちょっと考えられなかったような(笑)。
私は3Pどころか複数プレイ大好物というどうしようもない奴ですが(笑)、一連の3Pものの最後は3人で仲良くなりましたな予定調和的な展開に何処か足りないものを覚えてしまう…。さすがに全てを読んでいませんが、なんとなく展開も似ている気がします。そもそもお互いに(とくに攻め同士)嫉妬とかしないんだろうかとか思ったり。まぁ、そこは敢えて気にしないのがいちばんかもしれません(笑)。
この作品もそうですが、もうちょっと設定にひねりを利かせてほしいかな。どーしてもそうじゃなきゃいけないと納得させられてしまうような、そんな3Pものを読んでみたいです。