calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< March 2024 >>

latest entries

categories

category 2

archives

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2014.07.28 Monday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

「唇に嘘が滴る」 かみそう都芭 / ill.小山田あみ

父を殺した犯人を捜すため、男娼としてマフィアに飼われる道を選んだ香鳥。自らを抱かれる体に変えようと、闇のオーラを放つ謎の男・燈吾に無垢な身を委ねた。二年後、首領の愛人となった香鳥は、取り引き先企業の秘書として現れた燈吾と再会する。ストイックな秘書の仮面に潜めた闇の閃き。彼はいったい何者なのか―疑惑を抱えながらも、惹かれる想いに身を焦がす香鳥は…。燈吾の目的は?敵か、それとも…。

小山田さんのイラスト目当てで購入したんですが、シチュやら何やらいろいろ美味しくて面白かったです!
父親の仕事でミラノで育った香鳥(受)は、その唯一の肉親だった父親を何者かに殺され、たった18才で天涯孤独の身に。さらに仕事でマフィアと繋がっていたらしい父親の借金の形にマフィアに売られ、死で償うか男娼として生きるかを選ぶことになる。途方に暮れた香鳥だが、ある時父が敵対する組織の人間に殺されたらしいという情報を得る。彼は父の敵を探し出すため、男娼に身を落としマフィアから父の死の真相を探ることを決意する。
そして、そのために自分のまっさらな身体を男を悦ばせるものに変えるため、人の上に立つ者のみが持つオーラを纏う謎の男・燈吾(攻)に身を委ねる。
見ず知らずの美青年に「男に抱かれる体にしてください」なんて頼まれて、それを受け入れられる男の確率ってどのくらいだ? とか、またヘンなところで引っかかってしまったんですが、そこはBL、あくまでファンタジーとして割りきって、あまり野暮なことを言うのは止めましょう(笑)。
ともかく燈吾によって身体を開かれた香鳥は、燈吾の「最高の娼婦になれ」という言葉を支えに、男娼に身を落とします。
ここまでがプロローグという感じで、お話が本格的に動き出すのはそれから2年後、マフィアのドン・ガルディノの愛人にまで登りつめ今や「夜の宝石」と讃えられる高級男娼になった香鳥が、ガルディノが取り引きに手こずっている日本企業タタラグループの会長・多々良耕造のご機嫌を、体を使って取るため日本にやってきたところから。ミラノでの情報収集が手詰まりになっていた香鳥は、日本で新たな情報を得ようと考えていたんですが、そこで待っていたのは、なんとあの燈吾だった。髪を整えメガネとスーツで身を固め、今は多々良の秘書を務めている彼は高槻、と名乗った。
香鳥は燈吾が実はタタラグループを影で繰っていることに気付き、更には彼が父親の死にも関わっているらしいことも知ります。けれども自分がどうしようもなく彼に惹かれていることにも気付いてしまう。燈吾は一体何者なのか。香鳥の想いは叶うのか。
…というお話が、ふたりの関係が香鳥の父の死の真相や燈吾の目的と絡み合いながら展開して、一度読み始めたら止まらなくなりました。もっとページがあってもいいくらい。

男娼に身を落とすとかマフィアのドンの愛人とか、BLではわりと見るフレーズですが、この作品の面白いところは、受けが攻めに飼われやがて救われるとかその愛人にされたりするのではないところ。燈吾によって身体を開かれた香鳥はその後誰に頼るでもなく自力でマフィアのドンの愛人にまで登りつめ、自ら答えをつかもうとする。
男娼らしくビッチなのに心は健気で純、な香鳥がいいです。今まで読んできたBLの中でこういう受けはいなかったので、何だか新鮮でした。そして香鳥が前向きで全く挫けないし、彼を囲っている男たちがわりとフツー(酷いことをしないという意味で)なので悲壮感はないです。
そしてなかなか真意を見せない燈吾も魅力的。素の底の知れない雰囲気の時と、秘書に化けている時のギャップに萌えました(笑)。だって秘書に化けたら香鳥とふたりでいるときさえも慇懃に敬語で接するという徹底ぶりですよ…!
父親の死の真相も最後まで引っ張りますが、同じくらい燈吾の本音もなかなか見えてこなくて二転三転、どうなるんだろーと思いましたがラストはちゃんとハッピーエンド、いい意味で諦めの悪い香鳥が最後まで諦めなかったからこそのハッピーエンドです。
そしてお話がお話なのでエロもボリュームいっぱいです(笑)。恋を知るより先に快楽を覚えてしまった香鳥が燈吾への恋心を自覚してからが、いろいろと萌えました(笑)。
でも、香鳥が男娼という設定なので、攻め以外の男とのシーンもあったりするので、そういうのが苦手な方はご注意を。
 
それから小山田さんのイラストがいい! きれいでかっこよくて艶っぽくて、萌え死にそうなくらいもうたまらんです(笑)。これだけでも一見の価値はあります!
 
というわけで、予想以上に楽しめた一冊でした! 

スポンサーサイト

  • 2014.07.28 Monday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック