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  • 2014.07.28 Monday
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「サクラ咲ク」 夜光花

高校生のころ三ヶ月間行方不明になり、その間の記憶をなくしたままの怜士。以来、写真を撮られたり人に触れられたりするのが苦手になってしまった怜士は、未だ誰ともセックスすることが出来ずにいる。そんなある日、中学時代に憧れ、想いを寄せていた花吹雪先輩――櫻木と再会する。櫻木がおいかけていた事件をきっかけに、二人は同居することになるが…。

待ちに待った「忘れないでいてくれ」のスピンオフ、遂にあの花吹雪先輩の登場です!

高校時代に3ヶ月間失踪していた過去がある怜士(受)。その間何があったのか記憶は一切なく、この出来事は明るい少年だった彼を変えてしまい、29歳になった今でも深く影を落としています。
怜士はあるとき、中学時代の先輩で憧れの人だった櫻木(攻)と偶然再会します。昔からマジックが得意なことで有名だった櫻木は今はちょっとした探偵業をしていて、怜士はある偶然から櫻木の仕事を手伝うことになるのですが、それが元でトラブルに巻き込まれ、身の安全のためにとしばらく櫻木の部屋に居候することに。
昔のまま心が広くおおらかな櫻木と生活を共にするうち、怜士は自分が未だに櫻木に恋をしていることを思い知らされます。けれども怜士は、暗い過去を持つ自分は櫻木には相応しくないのだと卑下せずにいられない。そんな怜士の姿に、櫻木は過去に何があったのかを知るべきだと言い出しますが…。

「忘れないでいてくれ」では名前だけの登場で、いったいどんな人物なのか興味深々だった花吹雪先輩こと櫻木ですが、…かなりの天然さんでした(笑)。塚本みたいなもっと胡散臭い感じなのかと勝手に想像していたので予想外でしたが、さすが夜光さん、こういうキャラを描くのが上手いですね!(笑)
その櫻木の後輩で、ずっと恋をしていたワケアリ青年・怜士が主人公です。
怜士は記憶に無い失踪した過去が原因で後ろ向きな性格になってしまっていますが、それだけではなく頭に血の昇りやすい、そしてキレたらちょっと手に負えないというやっかいな性分の持ち主でもあります。
BLでこういう状況にある受けってじめじめうじうじしているだけで何だかなーと思うことが多いですが、キレやすい怜士は悪党にタックルかましたり頭突きを喰らわしたりと意外な活躍(?)をしてくれて、そこが好きです(笑)。

怜士に一体何があったのかを探るサスペンス色の強いお話からは、目が離せませんでした。
事件以降は人に触れられることとカメラが苦手になっていたりと、失踪事件が玲治に落としている影はかなり暗い。それって…、とつい嫌な想像をしてしまう要素が強いだけに、過去と向き合うことを恐れる怜士の姿が見ていて苦しいです。
そんな怜士に、負い目を感じる必要はない、何があったのか事実を知るべきだと言う櫻木の考えは正論なんですが、同時に当事者でないから言えることでもあるという怜士の思いも、被害者としては当然のものだと思うんですよね…。そこのとがどう決着されるのかも含めて、目が離せなくなりました。

そんなハラハラさせられっぱなしのサスペンス面にばかり目が行ってしまいますが、ラブの方もある意味それと同じくらいヒヤヒヤさせられました。
…櫻木がとんでもなく天然で、色恋沙汰を超越した浮世離れしたところがあるためなかなか恋愛に発展しなくて、これ、ちゃんとふたりはくっつくのか? と(笑)。
怜士の抱えているものが深刻なわりにお話がそこまで重苦しくないのは、櫻木のこうしたどこか脱力させるキャラのお陰だと思います。

そんな櫻木の存在が怜士の救いになって、怜士の呪いを解いて新たな魔法をかけていくというラストはじーんとしました。
でも、魔法をかけたのは、櫻木だけではなく怜士もなんじゃないのかな。このお話、誰かに執着することを知らなかった櫻木が恋を知るまでのお話でもあると思うんですよね。
お話は怜士視点で進むため、そうでなくても天然な櫻木の思いや考えはよく見えてきません。体の関係はしっかりできた後も「付き合ってないよね」とか言っちゃうような櫻木が実は知らないうちに怜士に惹かれていたという顛末に、恋焦がれる苦しみや歓びを知らなかった櫻木の心に怜士が恋の魔法をかけたんだなと。
どうでもいいんですが「言葉攻め」が個人的にかなりツボでした(笑)。
怜士が失業中でも彼なりにやっていた仕事はどうするんだろう? とちょっと引っかかってしまいましたが、ふたりがきれいなハッピーエンドを迎えられてよかったです。

前作の清涼、秦野、そして塚本も登場していて、特に清涼はお話にもかなり深くかかわっています。私は清涼が大好きなので、予想よりも活躍していることにニヤニヤです(笑)。それにしても大輝って誰だと思ったら、そういえば清涼の本名でしたね(笑)。
そして清涼の例の能力が今回も活躍していますが、いくら櫻木のマジックに慣れているとはいえ怜士が能力のことをわりと早々と信じるのがちょっと気になってしまいました;
ところで、最後まで読んでもナゾなのは塚本だったり(笑)。彼は単なる変わり者なのか、それとも…? と色々考えてしまいました(笑)。

イラストについて。本作は朝南さんへの追悼を込めてイラストはありません。
朝南さんの一周忌が明けて刊行されている他のスピンオフ作品がどれもレーターさんを変更しての発表になっていることを見ても、本文イラストはなくてもカバーにはイラストが付くのが当たり前のBLで、この体裁での刊行は勇気のいることだったと思います。
なのに敢えてイラストなしで出した夜光さんの想いに、涙が出てきました。
そして読みながら朝南さんの絵を想像してしまった私は、このお話がイラストなしで良かったと思ってしまいました。そのくらい、朝南さんの絵のイメージが強いというか、他の方の絵では想像できないお話です。イラストがないのに不思議なものですね。
そして、もしも朝南さんがこのお話のイラストを描いたとしたら、いったいどんな怜士や櫻木を見られただろうかと思わずにもいられませんでした。
改めて、ご冥福をお祈りします。

「忘れないでいてくれ」(清涼と秦野の本編)

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