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  • 2014.07.28 Monday
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「神王の禁域」 桑原水菜 / ill.高嶋上総

「お前の聖液は極上の味がする」奴隷の身分を隠し、成り上がって王の位についたシンハ。王としての最初の仕事は、ひとり神殿へ赴くこと…しかし真の国王の務めとは、毎夜蛇神に自らの精液を与え養うことだった!国の繁栄を願う儀式を隠れ蓑に、夜ごと蛇神ナガの赤い舌でねぶられ淫蕩な愛撫を受けて、シンハはたまらず精液を溢れさせる。猥らに啼かされて、ついには貫かれる…余人は立ち入ることを許されぬ聖なる神殿で。桑原水菜待望の濃密エロス登場!

あの桑原水菜さんのBL作品ということと、カバーラストに惹かれて手に取って見ました。
…と言っても、実はこの人の作品はひとつも読んだことがありません(汗)。それと知らずにこの人原作の漫画を購入したことがあるくらいで、それもシリーズものの途中だと知らずに読んだためにさして面白いとも思わず…。
そんなわけで、桑原作品をちゃんと読むのはこれが初なのでした。
アンコール遺跡で有名なクメール王朝を思わせるヒンドゥーの神を信じる架空の国オンコーを舞台にした、国の守り神である蛇神×成り上がりの王の、時空も超えるファンタジー。
2011年に小説b-Boyに掲載された「神王の禁域」と、書下ろしの「神王の舞踏」の収録です。

人の心を読むことのできる不思議な力を持つシンハ(受)はそれを駆使して奴隷の身から成り上がり、遂にオンコ―国の前王を殺して新王として即位するまでになります。
オンコーの王は代々、毎夜「蛇神の神殿」に詣でそこに住まう蛇神の女と交わらなければならないしきたりがありシンハもそれに従うのですが、そこで彼を待っていたのは蛇神の女ではなく赤い髪をした男・ナガ(攻)。
水を司る蛇神であるというナガは、代々のオンコー王たちの精液を糧にしてオンコーの水事情を安定させ国に豊かさをもたらしており、当然シンハからも精液を得ようとします。
想定外の出来事に加えて、さらにシンハを驚かせたのはナガの心が読めないこと。
そのナガから夜ごと受ける淫蕩な行為に反発しながらも、シンハは出会う何を考えているのか読めない相手の前では素の自分でいられることに気付きそれに快さを覚えるようになりますが、それに感づいた后が嫉妬を露わにし始め…。

架空の世界を舞台にしたファンタジー設定ですが、ファンタジー部分が絶妙にBL要素と繋がっているので普通に愉しめました(笑)。
国の守り神が王の精液を求めるって、…もう、何と言えばいいのかw
しかも王が感じれば感じるほど甘くなるとか、いろいろ美味しい設定が多すぎます(笑)。
まぁ、ヒンドゥー神話ならありそうですけどねこういう話(笑)。
っていうか、読んでいちばん知りたいと思ったのは、これまでナガに吸われてきた歴代のオンコー王たちの心情ですよww
そんなエロ設定部分だけではなく(笑)、歴史を下敷きにした長編を描くことで有名な作家さんだけにお話の設定も丁寧に作りこまれていてBLにありがちななんちゃって感がなく、ヘンなストレスを覚えなかったのがすごくよかったです。
そして異国の雰囲気がたっぷりあっただけに、お話そのものがあっさりしていたのがちょっと惜しい。もしこれが長編だったらすごく読み応えのあるお話になったのかなと思ってしまいました。

主人公のシンハがなんだか中途半端でした。
はじめ、読心能力を駆使して王に上り詰めるほどなのだからよほどの野心家なのかと思いきやそうでもなく、途中からは普通にいい王さまになっているのにやや拍子抜け、そしてなぜ彼がそこまでして王になったのかが見えてこなかった点がいちばん残念でした。
なまじ人の心が読めるばかりに世の中を斜めに見てしまって、この世の中で自分がどのくらいまで行けるのか試してみたかった、というだけだったのでしょうかね?
それだとちょっと物足りない気がして、もうちょい冷酷な感じやそれこそナガを相手に策略を…みたいな部分があっても良かったような。。
…でもそれだとBLにはならないか;

人の心が読めるばかりに人を信じることをできずにいたシンハが、初めて出会った心の読めない相手・ナガに翻弄されるのや心の安らぎを覚えるのは納得でした。
その一方でシンハの后が嫉妬に狂うようになるのですが、その描写がねちっこくてこっちが蛇だろうと思うほど。そしてそれがふたりの運命に大きく影響していきます。
その果てに待つラストがBLではあまり見られない感じのもので、なかなか新鮮でした。神話とか伝承を読んでいたような気分。

書き下ろしの「神王の舞踏」は、「神王の禁域」でナガがちらりと触れいていた、元楽士だった王ソリヤとナガのお話。
攻めの過去の恋バナ!? と警戒される方もいらっしゃるかと思いますが実はそうではなく、本編と意外な繋がりのあるお話です。あんまり言うとネタバレになるのでアレですが、ナガとシンハの絆が如何に深いのかが明らかになりましたね。
ソリヤの次の王を迎えるしかなかったナガの姿に涙しました。
ただ、いいお話ですが、私はどうせならシンハとナガで一冊読みたかったです。壮大な物語なだけに本編が短く感じられてしまったので。。

高嶋さんのイラスト、絵柄も好きだしお話にあってて素敵だったんですが、モノクロがグレスケだと損をした気分になるのは何故だろう。。カラー絵をモノクロで見せられているような気分になるからだろうか;
そこがちょっと残念でした…。

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