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  • 2014.07.28 Monday
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「会社は踊る」 鳩村衣杏 / ill.小椋ムク

シンデレラの舞踏会みたいに、理想の恋も人生の喜びも、すべてが揃った舞台の名前は“会社"――!? ワーカホリックに陥り、体調を崩してしまった生真面目編集者・直が転職したのは、エンタメ系の出版社。転職早々社内イベントの運営委員長に選ばれて、破天荒なプロモーション担当者・渡会や、ノリのいい同僚たちに巻き込まれるように、仕事に、イベント準備に、はたまた恋に、走る・悩む・踊る!? エンタメの名手・鳩村衣杏先生が軽快なステップで紡ぐ、ネオ・シンデレラたちに贈るストーリー!!

メディアファクトリーさんの新レーベル、作品のラインナップが重たい系なのでいまいち興味が持てませんでしたが、これは鳩村さんだしタイトルからして楽しそうだしムクさんのイラストも素敵だし♪…と、手に取ってみました^^
フルールさんのウェブマガジンで連載されていた本編と、描き下ろしのSS「My Lord and Master」の収録。
大手出版社を舞台にしたカジュアルティストなお仕事BL、という感じです。

生真面目な性格の利光(受)は大学出版局で編集をしていましたがワーカホリックになってしまい退職、エンタメを売りにしている出版社に転職することに。
そして、前の職場とは間反対のテンションの高い社風についていくのもやっとの状態だというのに、新人や転職組がメインで運営する社内イベントの運営委員長に選ばれてしまいます。
そこでプロモーション部の有名人・渡会(攻)と出会い、利光は交流していくうちに感化されていき、やがて恋をするようになります。

こういう雰囲気の会社はいろいろしんどそう…と利光じゃないけど思ってしまいましたが(笑)、利光はただ真面目なだけではなく、ポテンシャルはあるのにそれを発揮できていない感じで見ていてなんだかもどかしさがあります。
そんな自ら限界を作ってしまって殻に篭っているのを渡会が解放していき、利光は見違えるようにポジティブになっていきます。それこそ社交ダンスを習い始めてしまうほど(笑)。もともと関心があったとはいえ、教室に通うようになるのはかなり勇気が要りますよねw
因みにタイトルの「踊る」は、この社交ダンスと社内イベントのテーマになるミュージカルから来ているようです。

利光を行動派に変えてしまった渡会は、これでもかというほど高スペックなできる男。わけても人と繋がる能力に長けていて、ノリ的には軽めなんだけどちょいお節介すぎるタイプでもあります。
ふたりが恋人の関係になってからは渡会のそうした性格がちょっとした災いとなり、利光が何もかも自分の先を行く渡会に嫉妬を覚えて空回りしたりもします。男女の関係と違ってただ守られるだけなのはイヤだと思っちゃうんですね。
私は渡会みたいに何でも出来すぎるタイプには萌えないんですが、本編後のSS「My Lord and Master」で実は彼が甘え方を知らない人間だったと分り、欠点のないように見えたのにこんなところで意外な穴がwと、ちょっとだけ好き度が上がってしまいました(笑)。

ふたりがわりと早々に恋人同士になったり渡会が利光に惹かれた理由が見えてこなかったりと、物足りない部分に加えて、あれこれ詰め込みすぎだったり無駄に思えるエピソードがあるのはこれがもともとはウェブ連載作だったからでしょうか。
渡会の父が映画監督だったとかぎっくり腰とか、別に必要なかったような…。そこじゃなく、社内イベントに向けての奮闘と成果にもっと焦点を当ててほしかったかも。せっかくのミュージカルネタも、タイトルに掛けてある割りに活かしきれていない印象。
そのせいで、お仕事ものとしても恋愛ものとしても中途半端な感じになってしまっているのが惜しいです。
そして社内のBL編集部女子の会話にはちょっと苦笑い;このあたり、良くも悪くもBLだなーと思いました。
さらっと読めてしまう分後に残るものがあまりないお話だったかも…。

「編集長の犬」 鳩村衣杏 / ill.佐々木久美子

「―おまえはMか?いや、バカか」この世のものとは思えないほどの美貌の男に罵られ、冷たくされ、大和の心は…ときめいてしまった。これは、恋だろうか?印刷会社で営業職に就く大和は、新規担当の『ジョイント』編集部にて、運命の洗礼を受ける。編集長の佐治は、恐ろしいほど整った顔と歯に布着せない物言いで、ひたすら大和を翻弄する。困惑する大和だが、彼の仕事に対する姿勢に心揺さぶられ、尊敬は恋心へと伝播して―。

「部長の男」のスピンオフというかリンク作? 攻めが同じ印刷会社の社員という以外はあまり被っていないので、これ単体で楽しめる内容でした。
今回は、元プロ野球志望だった印刷会社営業×偏屈者で有名な出版社の編集者。
「部長の男」の康太もちょっとだけ顔を出しています。

かつてプロを目指していた野球の世界への未練を残したまま、印刷会社の営業として働くようになって3年になる大和(攻)。
仕事への情熱を抱けずにいる彼が初めて大手出版会社の雑誌の担当を任されることになりますが、担当編集長の佐治(受)は優秀だけれども偏屈者で有名で、案の定初っ端から失礼な対応をされて頭にきた大和は自分の立場も忘れて反抗してしまい、最悪のスタートをきることになります。
けれども、共に仕事をしていくうちに佐治の仕事に対する真摯な姿勢や意外な優しさを知ってその印象が変わっていき、また佐治に触発されるように大和の仕事への想いも変化していく。
やがて大和は、自分の佐治への想いが尊敬から恋に変わっていることに気が付きますが…。

タイトルにあるように、大和は大型犬タイプですが、佐治に何度も突っ込まれているように若干マゾ犬タイプですね(笑)。「体育会系はみんな、そいういう部分(Mっ気)がないと続かない」って、確かにそうかもしれないけどさ(笑)。
そんな大和の視点でお話が進むので、マゾ犬っぽさ全開で一人勝手にぐるぐるしたりおかしな妄想してくれたりと、何というか全体的にコミカルで楽しかったです。こういうキャラ、けっこう好きかも。
そしてやっぱりBLは攻め視点の方が美味しい(笑)。
佐治は最初のパワハラスレスレの対応に大和同様引いてしまってついついドSっぷりを期待してしまいましたが(笑)、ドSというよりは男前な感じでちょっと残念。←
いやだってこのタイトルなら美貌のドS編集長を期待するでしょう!(笑)男前受けは大好きなんですけどね。

お話は、BLというよりはお仕事ものという感じです。それこそ作家さんがあとがきで仰られているようにビジネス書にでもなりそうな(笑)。
もう断たれた道だと解っていてもプロへの未練を捨てきれないでいた大和が、辛辣ながらも温かな言葉をくれる佐治と仕事をするうちに印刷業という今の仕事に段々向き合うようになっていくのは、お話としてはとても面白いです。
大和のジレンマはプロ野球なんて大きな舞台じゃなくてもちょっとした挫折の経験のある人ならよくわかるものだと思いますが、彼がそれを振りきってひとりの社会人として成長していく過程に好感が持てました。

でも、「仕事」の意味を教えてくれた佐治になぜ大和が恋をしてしまうのか、そこら辺が説明不足というか唐突な感じで残念です。
大和の佐治への感情がいつの間に恋になったのかがわからなかったし、何よりゲイじゃない大和がいくら相手がきれいだからって男に惹かれるのが謎すぎる。。
BLだからなにがなんでもふたりの間にラブが芽生えなければいけないというお約束を守っただけのようにも見えて、このあたりの滑らかな接続は難しいんだなと思ってしまいました。
お仕事パートがいいだけにすごく残念です。

そんななのでHシーンは最後の一回だけですが、佐治が年上&男前なのでポジション争いしちゃっているのが楽しくて、けっこうイイ感じでした(笑)。
佐治が最期までデレないのも個人的には好きかも。そしてあんな場面で「精神論はいらん」とか言うのには吹いてしまった(笑)。
でも、前の「部長の男」がリバだっただけについつい今回もそうならないかといらぬ期待をしてしまって、それだけにリバがないことに残念…。
って、ないのは当たり前なんですけど;

というわけで、面白いおお話だったんですけれど色々物足りないものもあったので★3つです。
あと、イラストがリーマンというより学生みたいでイメージに合ってない…。特に佐治、服装やフシギな髪型がどうしても小説にある「稀に見る美貌の」編集長には見えなくて残念でした。

「部長の男」(リンク作)

「リフレイン〜君の心を眠らせないで〜」 鳩村衣杏 / ill.小椋ムク

「雪は天使の羽根なんだよ」そう教えてくれたのは優しい恋人。でも、彼はそれを覚えていない―。営業マンの諒一は、宅配の誤送がきっかけで同じマンションに住む沖野と親しくなる。無難な人生を望んでいたのに、強く優しい沖野に惹かれ、友情はいつしか恋に変わった。戸惑い悩みながらも二人は恋人になるが、幸せのさなか沖野が事故で記憶を失い…?愛しさ満ちる極上の恋、書き下ろしも収録して文庫化。

最近気になっている作家さん、鳩村さんの新刊。挿絵が小椋ムクさんなのにも惹かれて手にしてみました。
で、タイトルも挿絵も変更になっているので気が付かなかったですが、2006年にリンクスロマンスから刊行された「君の心を眠らせないで」の改題新装版でした。
本編と、小説リンクス2007年2月号に掲載されたSS「クリスマスの記憶」と書き下ろしのSS「Day by Day」の収録内容で、特に大きな変更はないようです。
リーマン×リーマンの、いわゆる記憶喪失ものです。

大手飲料メーカーに勤める諒一(受)は、お互いの荷物の誤送がきっかけで同じマンションに住む税理士の沖野(攻)と知り合います。そしていつの間にか年や出身が近く付き合いやすい性格をしている沖野と気の合う友人同士になりますが、ある時沖野が男とキスをしているのを目撃、以来関係がぎくしゃくしてしまう。
そんな中、沖野は諒一に自分はゲイなのだと打ち明けてきて、諒一はそれまでの偏見や困惑を徐々に捨てて沖野との友情を続けていくことにするのですが何故か必要以上に沖野を意識してしまうようになってしまって、やがてそれが恋なのだと気が付く。
実は同じように諒一を好きだった沖野の想いもわかり、ふたりは恋人として付き合うようになりますが、幸せな日々も束の間、帰省した沖野が事故に遭い諒一とのことも含めたそれまでの記憶を失ってしまう。

攻めが記憶喪失になってしまうのはお話も半分が過ぎたあたりで、前半はふたりが恋人同士になるまでの、特にノンケだった諒一の葛藤と、晴れて恋人同士になったふたりの日々が綴られています。
ノンケだった諒一が男に恋をしたことに思い悩む姿は丁寧なんですが、彼が沖野のどこに惹かれたのかが説明不足なのが残念ですね。「無難に」生きていきたいと思っているような諒一が男に恋をしてしまったことへの説得力がもうひと押し足りなくて、若干乗り切れないまま読み進めました。

お話が大きく動くのは沖野が記憶喪失になる後半から。
ゲイであることも忘れてしまった沖野に諒一は自分とのことを告げるべきなのか悩むのですが、普通の男女の恋人同士だったらここで「私はアナタの恋人よ! 思い出して!」と涙ながらにうったえられるところを男同士であるためにそうできないのが切ないです。
と同時に、沖野は平凡に生きてきた諒一をゲイにしてしまった男でもあるわけで、そこへの葛藤もあるんですね。自分たちの関係を告げるのか、このままただの「お友達」に戻るのか。そもそも戻れるのか。
途中から、出会った頃とは入れ替わった状態で諒一と沖野の関係がまた始まっていくような状況になっていくのが興味深かったです。

ちょっとバレちゃいますが、これ、数多くある記憶喪失モノとは違って攻めの記憶は戻りません。普通は記憶が戻ってふたりの愛は更に深まりハッピーエンドとなるところですが、そうはならないのです。
記憶が戻らないままふたりが迎えた結末は、けれどもとても感動的でした。もう一度ふたりの関係を築いていくのですね。ベタに記憶が戻って…な展開で終わるよりもじーんと心に残ります。
もしかしたらこのラストにもやっとしたものを覚える方もいるかもしれません。けれどもだからこそこのお話はありがちな記憶喪失モノからもうひとつ深みのあるものになっていると思いました。
あ、ちゃんときれいなハッピーエンドですよ! そこはどうぞご安心ください(笑)。

「友人と寝てはいけない」 鳩村衣杏 / ill.小山田あみ

恋愛なんてあり得ない、昔からの友人だから――共に社長子息で、抱かれるより抱く方が好きなバイ。共通点の多い美馬(みま)と鮫島(さめじま)は、高校時代から二十年近く、“一緒に酒を飲んでも旅行はしない”ドライな友人関係を続けてきた。けれど、経営が傾いた美馬の実家を鮫島が助けたことで関係が一変! 「礼の代わりにセックスしてみる?」鮫島の冗談を引き金に、友人の境界線を踏み越えてしまい…!?

攻め×攻めという個人的に大好きな内容のお話^^半分はイラスト買いなんですけれど(笑)、前のリバものも面白かったので期待して読みました。

美馬(受)と鮫島(攻)は高校以来の友人同士の32歳。見た目もタイプもまるで違うのに、育った環境や境遇が近いためなのか周囲からはよく似ていると評されています。更にバイで男相手にはタチという性的嗜好まで共通していて、お互いを認め合うような対等な関係を築いている。
けれども、美馬の実家が経営している会社が傾き鮫島から助けを得たことでふたりの関係が変わり始めます。
それは鮫島が礼の代わりに軽いノリで「セックスしようぜ」と言い出したのが発端なのですが、もともとお互いを性的に意識したこともなかったのに鮫島の思い付きに美馬がおかしな意地を張りだして引っ込みがつかなくなり、気が付いたら「挿入なし」のセフレもどきになってしまう。
鮫島が美馬を誘ったのはもしかしてもしかして前から美馬に気があったからなのでは…とBLではありがちなことを思ったのですが、そんなことはカケラもなかったという(笑)。徹頭徹尾興味本位でしかなかったようで、これはなかなか珍しいですね。
このお話は終始こんな感じです。

美馬は支配的な父親とそれに隷属することしかしない母親の関係に辟易しながら育ったために、相手をコントロールしたいという関係になりがちな恋愛を苦手にしていて、これまで特定の恋人を作らずにセフレと躰の関係だけを結ぶという極めてドライなことしかしてきていません。遊び人ではない、ある意味生真面目すぎて臆病な面があるわけですが、鮫島という想定外の相手と深く関わってしまったことで初めて恋を覚えるのです。
一方の鮫島は時に無神経と思えるほど自分に素直に生きていて、美馬に対しても挿れたいと要求してきますが、美馬も攻める側なので躊躇する。躊躇するけれども行為を続けているうちに躰も今までにない反応をするようになっていって、それがまた簡単には受け入れられず…みたいな、恋の湿っぽさはないけれどもおかしなところでぐるぐるしている感じです。
結局はお互いのセフレがふたりの関係を押し進めるきっかけになるのが、長い間友人としてやってきたためにどちらもがこの恋に不器用になっていたことを物語っている気がしました。

攻め同士が恋人になるお話は中途半端だったり物足りないことが多い中、これはどちらもが攻めタイプで一歩も譲らない、みたいな緊張感もあって良い感じでした(笑)。
美馬が美人やかわいいタイプを見れば好みだと思ったり、攻めの立場でセフレとやってるシーンががっつりあったり、ああ彼は攻めなんだなと実感させられました。
乳首が弱いのが鮫島の方で美馬がそこを執拗に攻めていたりするのもツボ(笑)。攻め同士ならどちらもが能動的になるのが当然だと思うので、そこをちゃんと描いているのは嬉しいです。
前のリバものを読んだ時も思いましたが、鳩村さんにはぜひぜひこういうものを追求してほしいです…!
というわけで、こういうのが地雷だという方はお避け下さい!(笑)

本編は美馬の一人称で進むので鮫島に関しては何を考えているのか掴めない部分もあったのですが、本編後に鮫島視点のショートがあって、彼が思った以上に美馬にハマっている様子が伺えます(笑)。奔放な印象だっただけに、実は嫉妬心や独占欲が強いのが何だか意外でした。

面白いお話でしたが、美馬がニューヨーク住まいだったり無駄にセレブ設定じゃなくてもよかったのではと思いました。セレブ設定じゃなくても成立するお話でキャラがやたらハイスペックだと、何だか嘘臭く見えてしまう;
もっと血に足の着いたフツーな感じの方が親しみが持てた気がします。

それから、イラストが小山田さんで本当に良かった! 小山田さん、最近こういうシチュの作品担当されることが多いですね(笑)。
こういうお話で受けがかわいい系のイラストだったら魅力も半減してしまいますので、ちゃんと大人の男を描ける方の絵で見られて愉しみも倍増(笑)。良かったです^^

「兄弟は恋人の始まり」 鳩村衣杏 / ill.陸裕千景子

「お前が弟!?」―母の再婚で28歳にして義理の弟ができることになった小説誌編集者の一。しかし一の前に現れた弟はハンサムな同期の瑳苗だった!!気が強い一と不遜でクールな瑳苗は会えば喧嘩ばかり。だが何より悔しいのは瑳苗がヒット作を連発する敏腕編集で、仕事も口も負けっぱなしなことだった。そんな男となんの因果か義兄弟、しかもひとつ屋根の下で同居する羽目になり…!?働く大人の男たちの「いまさら兄弟上等」ラブストーリー。

そりの合わない同期同士がある日突然義兄弟に、なお話。陸裕さんのコミカルなカバーイラストがいい味出してます。

出版社で編集者として働いている一(受)は、母親の再婚で同期の瑳苗(攻)と義兄弟になることに。
瑳苗は同期でいちばんの出世頭ですが、どことなく不遜な性格で一はそりが合わず、劣等感も手伝って毛嫌いしている相手。
それだけでも頭が痛いのに成り行きで瑳苗の実家で新しい家族として暮らすことになり、新婚ホヤホヤの親たちがハネムーンに出た後、瑳苗とふたり一つ屋根の下で生活する羽目になってしまう。
けれども共に生活し近くで仕事への姿勢を見ていくようになったことで一の瑳苗への印象は変化していき…。

実を言うと義兄弟ものってどこがいいのかいまいちわからなかったりします。兄弟ものなどの近親ネタの禁忌や背徳感にもともと興味がないというせいでもありますが;それに加えて義兄弟ものは中途半端感まで漂って、もうそれなら実の兄弟設定でやれよという気分になってしまう。
ところがところが、これはいい大人のふたり、しかも会社の同期同士がある日突然義兄弟に、という設定がいい味を出していて面白いです。
始めの方の、一と瑳苗の売り言葉に買い言葉的なやりとりがおかしいです。両親そろっての顔合わせのときの一のリアクションが特に笑えました。
ふたりは同じ28歳ですが、一のほうが瑳苗より3ヶ月だけ年上なため瑳苗が時々「義兄さん」と言ったり(笑)、義兄弟設定がいい感じでスパイスになっているのも面白いですね。

で、それまで犬猿の仲(そこまでじゃないか)だったふたりが共に暮らし始めたことでお互いの知らなかった部分に気が付き距離が縮まり…な展開なのかな、と思っていたら、実は瑳苗はずっと一に片思いしていたという予想外の変化球(?)が飛んできてびっくりしました。まさか全て仕組んだことだったのかっ! なオチにもびっくり(笑)。
そんな基本は腹黒い策士タイプなのに、変なところでワンコ(しかもドーベルマンっぽい・笑)な瑳苗のキャラがいいです。傲岸不遜な印象なのにやることがどこかズレているのもなんだかいい(笑)。
一はそんな瑳苗に振り回されながら徐々に恋してしまうという筋書きですが、明るく前向きで女々しいところの全くない彼がなんだかオトメな思考回路になってぐるぐるし出すのがちょっと違うかなーという感じです。。いいお話なんですけれど、だからこそありきたり感がしてしまいました。

がっつり義兄弟もの! っていうのを求めると物足りない作品かもしれませんが、リーマン+義兄弟として読めば面白い作品だと思います。

「部長の男」 鳩村衣杏 / ill.佐々木久美子

水科康太という純朴な青年を、一人前の使える男にすること…それが、出世を条件に、印刷会社広報部部長・日下部に課せられた任務だった。容姿に恵まれ処世術にも長け、仕事も恋愛も順調な男盛りのゲイである日下部にとって、真面目だが無愛想で目つきの悪い康太は、食指も動かない取るに足らない相手。しかし彼から予想以上に懐かれ好かれて、ペースを乱される。一途な想いをいじらしく感じた衝動で、日下部は康太を抱いてしまい…。

リバもの、というウワサを聴きつけて手が伸びました(笑)。BL版マイ・○ェア・レ○ィなお話(笑)も、とっても面白くて読み応えありました^^

印刷会社の広報部部長を務める日下部(攻)は39歳になるゲイで、能力があるだけに出世欲もある男。そんな彼に社長の安田が、取締役に就く代わりに工場から引き抜いた青年・康太(受)の教育係を任される。
康太は実は安田の初恋の人(純粋に憧れの存在で愛人だったとかではない)の忘れ形見で、できれば実の娘と一緒にさせたいと一方的に考えている存在。
出世のため、と日下部は23歳のわりに擦れていない、真面目でちょっと要領の悪いところのある康太をどこに出してもおかしくない男に仕立て上げようとしますが、裏の事情を知りもしない康太は日下部に必要以上に懐き、ゲイであることをカムアウト。おまけに日下部を好きなのだと言い出し、気が付いたら日下部もそんな彼に惹かれていくようになってしまい…。

お話は日下部視点で進んでいくのですが、彼から覗う康太ときたら一途で純な乙女ワンコで可愛すぎて、日下部がついくらっときてしまうのも頷けます(笑・図体はでかいですけれど)。しかも童貞くんときたっ!
自分の好みじゃない、と思いながらもそんな康太を見ていると、ついつい「かわいい」と父性本能(?)が刺激されてしまうのでしょう(笑)。
で結局康太の情熱に押し切られてしまって日下部は彼を抱いてしまうのですが、その時のセリフが「私が君の最初の男になってやる」。
そう、「好きだ」という気持ちを伝えないまま関係を始めてしまい、最初から大きなボタンの掛け違いが起きてしまっているんですね。
おまけに日下部は社長の安田から任された重要なミッションを帯びてもいるわけで、これどう転ぶんだろうかと目が離せなくなりました。

そして全てを知ってしまった康太が憤りのあまり、…リバになだれ込んでしまうのです。
康太の気持を考えたら、そうなるのも仕方ないなぁと思える展開なので無茶な印象はありません。

そんなマイ・○ェア・レ○ィな部分とお仕事BLな面が恋愛面に上手く絡んで展開して、お仕事のパートの比重が大きいにも関わらず萌えも充分な内容です。
仕事の部下として育てていくのと平行して、ウブな童貞くんを手取り足取り…というのも何か萌えます(笑)
あと初恋は実らない云々が…!(笑)
康太は最後まで可愛かったです!

本編の後のSS「可愛い男」では、ふたりの立場が月に一回程度変わるようになったその後のふたりが描かれていて、ありがちな一回限りのリバではなかったのか! とニヤニヤが止まりませんっ。
リバは地雷な方が多いようですが、個人的にはこれこそ男同士でしか成り立たない醍醐味だ! …と思っていたりします(少数派?汗)。
リバ、もっと増えればいいのに…。

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