calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>

latest entries

categories

category 2

archives

スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2014.07.28 Monday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

「この世の楽園」 綺月 陣 / ill.朝南かつみ

桂城バンク勤務の蔵野悠介はある日突然、グループ総裁子息・聖也の「教育係」に任命される。大学生の聖也は純粋で美しい青年だが、あまりに高慢だった。これまで冷静沈着を貫いてきた悠介も一筋縄ではいかない聖也に手を焼き、その境遇に耐え切れず苦手な弟・賢司にこの仕事を押し付けようと助けを求めた。しかし自由奔放な賢司はそれを楽しんで受け入れ、悠介の神経を逆撫でする。結局、兄弟で聖也の「教育」をすることになったのだが、聖也を手懐ける賢司に嫉姑した悠介は…。

初の綺月作品です(笑)。兄弟もの+3Pってさすがハードで有名な作家さんなだけはある…と思ったら、あとがきでどちらもこれが初と書かれていたのが意外でした。それ以外でも色んな意味で裏切られた愉しい一冊でした。

冷静沈着な性格の悠介は、ある日亡き祖父が残した借金が元で勤め先の総裁子息・聖也の教育係になることに。ところが聖也は本社ビルの最上部にある自宅からは出たこともないような世間知らずで高慢な性格で、悠介を「奴隷」扱いします。これにはさすがの悠介も音を上げて、弟の賢司に片棒を担いでもらうことを思い付きます。

賢司は悠介とは真逆の定職にも就いていない自由人で、でも要領がいいというか堅実な悠介よりも人に親しまれやすいタイプ。悠介はかつてこの弟に彼女を寝取られたことがあって、以来連絡もしていないような関係です。なのに賢司は悠介になついている様子で、悠介の唐突の要請にもふたつ返事でやってくる。
これで荷が減るかと思った悠介でしたが、今度は別の苦悶が待ち受けていました。なんと、あれほど自分ではお手上げだった聖也が、賢司相手にはたった一日で心を開くようになるんです。それを目の当たりにして、悠介はまた賢司にいいところを持って行かれたのだと思う。
悠介は賢司に対して侮蔑の感情と同等に、いやそれ以上にコンプレックスをずっと抱いているんですね。
で、そのために賢司におかしな闘争心を燃やして、何故か聖也の気をこちらに引きたいと思うようになる。
その後、賢司の発案で聖也をキャンプに連れ出すことになるのですが、そこで3人の関係がどんどんおかしな方にねじれてしまうことになります。

お話は終始悠介の視点で進むのですが、彼の冷静にやってるつもりがおたおたしている様子が伝わってきて面白いです。そしてそれぞれにタイプの違う3人のキャラがいいです。
ただ、3人の関係は設定ありきという感じがしてそこが惜しいところ。
特に悠介が聖也に特別な思いを抱くようになるきっかけが弱いのが気になりました。
賢司に対するライバル心と、外の世界に連れ出したことで徐々に純粋な子供のように何でも吸収しようと変わっていった聖也を可愛く思うようになったというのが最大の理由のようなのですが、ちょっと取って付けたような…。
変わって、賢司の悠介に対する感情がヨコシマなものだということは早い段階でわかりました(笑)。そんなこと露も知らなかった悠介が最後の最後で賢司を受け入れるのは、だいぶ唐突な気がしたというかなんでそこで納得できるんだ! と突っ込んでしまいましたが。。

…そう、このお話はラストの3Pのためにあるようなお話なのです。
3Pと言っても、攻めふたりが受けを愛でるお決まりのパターンではなくて、賢司と聖也が悠介を挟み合うというサンドイッチ3Pです…! さすが綺月さん、そうきたかという感じ(笑)。というのも悠介が、攻めなのか受けなのかぎりぎりまで判断できなかったから、あ、そーいうことなのかと(笑)。
エロで有名な綺月さんですが、この作品では本番行為はこのラストの3Pのみ(そこに至るまでにいろいろ際どいことになってはいますが・笑)で、賢司×聖也のシーンはありません。
この先、この三人のポジションはこのままなのか、それとも賢司が受け二人を調教していくのかが気になるところです(笑)。
…でもこの3人の中でいちばん受け属性なのは実は悠介な気がします(笑)

兄弟モノの上に3Pモノという、何だかいいとこ取りな印象がしなくもない作品ですが、3人のためなのか賢司があまり粘着質な執着心の持ち主でないためなのが、兄弟モノ特有のドロドロした背徳感は不思議とないのでそういうのが苦手な私は愉しめました。逆に、背徳感たっぷりの兄弟モノを求める方には物足りないんじゃないのかなぁと。そのあたりは、好みの問題ですね(笑)。

それからこの作品が愉しく読めたのは、朝南かつみさんのイラスト効果もかなり大きかったです。
悠介、賢司、聖也の3人ともがイメージにぴったりでともて魅力的だし、色っぽいシーンはとてもセクシー(笑)。
そして何よりカバーイラストです。またしても朝南さんにやられてしまいました…! ハードな首輪にどきりとしますが、その首輪が3人の関係性を見事に描き出しているではないですか! 朝南さん、さり気なく作品の核心を描くのが上手すぎます。作品のモチーフを散りばめた絵を描く方といえば奈良千春さんが思い付きますが、こんなふうにサラリと描ける方は朝南さん以外にいないと思います。…って、私の浅いBL歴の中でということなのですが;;
改めて朝南さんの凄さを実感した一冊でもありました。

| 1/1PAGES |