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  • 2014.07.28 Monday
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「好みじゃない恋人」 洸 / ill.小山田あみ

ビール会社の営業マン、香月が密かに惹かれているのは同期入社の八木。八木は常に自信に溢れて考えるより当たってモノにする行動派で、他人と距離を置き恋愛にも消極的な香月とは正反対なタイプ。ある日、可愛い系の友人と飲んでいた香月は偶然八木と遭遇。カップルだと思い込んだ八木に、「男の好みが同じだ」と言われ妙な対抗意識を持たれてしまう。誤解を解けないまま香月は、ことあるごとに競争相手としてライバル視されることに。告白して玉砕するよりライバル同士の関係に甘んじる決心をする香月。ところが、なんと八木は可愛い系の後輩社員をどちらが先に落とすか競争しようと持ちかけてきて――!?

前回に続いて同期でセフレなお話をもうひとつ。これ好きなんです〜。過剰に「泣ける」演出があるわけでもないのにとても切ない一冊です。

ビールメーカーで営業をしている香月(受)はゲイなのですが、ある時偶然ゲイクラブで同期の八木(攻)と出くわして彼もゲイであることを知ります。
八木は人と距離を置くタイプの香月とは逆の華やかな男で、香月は実は秘かにあこがれていて恋人になれるかもと期待するのですが、ちょっとしたことから八木が香月を自分と同じ可愛らしいタイプが好きなのだと勘違いしてしまい、いつの間にか恋愛面でも仕事面でもライバル視されてしまう。挙句に会社の可愛い後輩・武田をどちらが先に落すか勝負する羽目にまでなり、香月はもはや八木とどうこうなる日は来ないと諦めます。
ところが武田は八木でも香月でもない別の男・舞原と付き合うようになり、失恋に沈む八木に「孤独な者同士で慰めあわないか」と持ちかけられた香月はそのまま八木とセフレ関係になってしまい…。

香月は沈着なクールビューティーに見られがちですが、実はけっこう臆病で人前で本心を見せないタイプです。それは家族との複雑な関係が起因しているのですが、八木に対しても自分が彼に恋心を抱いていることを知られてはならないと、柄でもないあとくされのないセフレ役を演じ切ろうとしてしまう。
なぜそこまでしてしまうかといえば、セフレでもかまわないから八木と繋がっていたいくらい香月は八木のことが好きだから。だから突き放せないのですね。その姿がとんでもなく切ないです。
何でもない風を装いながらもベッドの上で武田のような可愛い男ではない自分がどう反応したらいいのかと戸惑ったり、コトの終った後の余韻に浸りかけてこの優しさは自分のものではないと引き離したり。香月がうじうじと悩むのではなく強がってしまうタイプであることが逆に切なさを倍増させています。
で、体を重ね続けていくうちにその想いが後戻りできなくなるくらい大きくなってしまう。

お話は香月視点なので八木がなにを考えているのか、香月のことは完全に遊びなのかそれともちょっとは気があるのか、微妙に分かりません。気があるような行動をとったと思ったら次には反対のことを口にしたり。だからこの恋はちゃんと報われるのかどうなのか、目が離せなくなります。
そこに武田や舞原が絡んでなんだか四角関係状態になってしまい最後までやきもきさせられましたが、ラストはきれいなハッピーエンドで安心しました。
香月が最後の最後で全部ぶちまけてしまったのには驚きましたが、あれですっきりしたというかすかっとしました。
しかし最期まで読んで思ったのは、器用に見える八木も本当のところは香月と変わらないくらい不器用というか恋には慎重な性格なのかということです。あれこれ手を尽くしておきながら、なぜ肝心の一言を言わない(笑)。
そんな何だかんだで憎めない八木や、美人だけど切れると相手をグーパンチで殴ってしまうような(笑)けっこう男っぽい香月のキャラも大好きです。

いい年した男が4人で遊園地とかノンケだったはずの後輩がやっぱりノンケだった男と付き合い始めたりとか、色々BLならではの突っ込みどころはありますが(笑)、それを差し引いてもこれはじーんと切ない、いいお話です。
そんなにボリュームがあるわけではないのにとても読み応えがあり、それはぎゅっと凝縮しているというよりは文章にすっきりとムダがないからだと思いました。
切ないお話がお好きな方にはおすすめです^^

「詐欺師は恋に騙される」 洸 / ill.小山田あみ

「お前の腕を買ってやろう」 正体がバレた時の対応は三つ。まずはとぼけて言い逃れる。そして相手の情報を引き出し、最後はとっとと逃げ出す。 ――詐欺師の里見は、保険会社で成績優秀な外交員となっていた。入社して二ヶ月、突如、役員から呼び出される。専務の宇崎は三十代半ば。整った顔立ちに、思い当たる記憶はあった。幼いころ、養父とともに騙した新人外交員の顔だ。事件にしない代わりに、社内の横領を突きとめる片棒を担ぐことになった里見。監視を理由に宇崎と同居することになり…!?

タイトルやあらすじでクールな感じなのかなと思いきや、可愛い詐欺師の登場する甘めのお話でした。
詐欺師の里見(受)はある目的のために保険会社の優秀な外交員として働いていますが、ある時会社の専務である宇崎(攻)に呼び出され詐欺師であることを見破られてしまいます。宇崎は里見が子供の頃、義父と共に騙した相手で、宇崎はそれをしっかり覚えていたんですね。けれども宇崎は里見を訴えず、代わりに社内で起きているらしい横領を探るよう協力しろと言い出します。かつて騙した相手への罪悪感も手伝って、里見は宇崎に従うことにします。
監視目的なのか宇崎は里見を自宅に住まわせて、ふたりは奇妙な協力関係のもと横領疑惑を探り始めるんですが、その中で段々里見の詐欺師らしからぬ甘えたな部分が出てきて、なにこの子めちゃくちゃ可愛いいんですけど! と母性本能くすぐられまくり(笑)最近こういうタイプの受けが出てくるBLを読んでなかったので余計にキました(笑)
そして所々に散りばめられた切なさに胸がきゅんとしました。

里見は子供の頃から詐欺師として生きていて、そのために誰にも本当の自分を見せてはこなかった孤独で不器用な部分があるんですね。けれども彼が詐欺師であることを知っている宇崎には取り繕う必要がなく素の自分でいられて、今では愛想の無くなった宇崎がそれでも時々里見に対して子供の頃に知っていた「優しい保険のお兄さん」が持っていた優しさを見せたりすると、それに甘えたいような気分になってしまう。でも心が通ったかと思った次には宇崎がかつて自分を騙した詐欺師をまだ疑っているのでは、と不安になる。騙した/騙されたという関係が、ふたりの間にちょっとしたすれ違いを起こしてしまって、それが切なかったです。
里見は実の親のもとでは育っていない哀しい過去があって、そのために甘えたなところがあるんでしょうね。同じような過去を実は宇崎も持っていて、このふたりタイプは違うけれどもお互いに似たような寂しがり屋なんだろうなとも思えました。
ふたりのそんな過去を思うと暗い雰囲気になりそうなものですが、全体が柔らかな感じだからなのか重いとか読んでて辛いというのはなかったです。
社内の横領疑惑の顛末も、里見が詐欺師としての本領を発揮してくれて面白かったです。
そしてもう忘れかけていた里見が保険外交員になった本来の目的が明かされ、ああそういうことだったのかと納得のラスト。綺麗なまとまり方でした。里見はどこまでも母性本能をくすぐる詐欺師ですね。
ただ、宇崎がゲイだと分かってからの顛末はちょっと急な気がしなくもなくて、そこが残念なところですかね。

終わりのクリスマス前夜のふたりのショートも、これを読んだ時期がちょうどクリスマスの時期だったせいもあって、ほのぼの温まりました。

ところでそういえば今月のガッシュ文庫、初回限定SSカード封入になってましたが今後もそうなるんでしょうか? そうなると特定の書店のみでの配布みたいなうっかり入手し損なった的なストレスはなくなりますが、ばっちりフィルム包装されてしまうので試し読みとかイラストチェック(重要です!)ができなくなってしまう。。。
う〜ん、どっちがいいんだろ??

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