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  • 2014.07.28 Monday
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「金蘭之契〜皇子と王子に愛されて〜」 矢城米花 / ill.天野ちぎり

堯帝国の人質となった呂国王子・火韻の従者・琉思は毎夜、皇太子・藍堂の寝所で彼の牡を受け入れている。呂国に謀反の動きあり―藍堂の情報が真実なら、火韻は無事ではすまない。言われるまま体を差し出す琉思。一方、藍堂はその痴態に満足しながらも、琉思の忠誠心が齢十八にしていまだ子供のようにやんちゃな火韻に向いていることに不満を覚える。美しき従者を独占するため、藍堂は火韻の目の前で琉思を犯し、主従で番えと命じるが―。

サブタイトル通りの中華風3Pもの。エロなら何でも書いている印象のある矢城さんでしたが(笑)、意外にも3Pものはこれが初めてなのだとか。
でも矢城作品としては大人しめでした。

強国・堯帝国の人質となった呂国の王子・火韻(攻1)の従者として共に堯帝国の都に暮らす琉思(受)は、年の割に子供っぽくやんちゃざかりな火韻に手を焼かされてばかりいますが、火韻への忠誠心はとても強固で火韻に仕える日々に満足ていました。
けれどもその琉思の美貌に目を付けた傲慢な堯帝国の皇太子・藍堂(攻2)が、琉思に自分の小姓になれと言い出します。
琉思は自分の主は火韻以外に主はいないと伝えて断りますが藍堂は諦めず、呂国に謀反の動きがあるという情報を餌にして琉思の体を得ることに成功します。しかしそれに火韻が気付いてしまう。

藍堂は琉思と火韻の間にある深い主従の信頼関係を引き裂くため、琉思との濡れ場を火韻に見せた挙句に主従で番えと命じてみたりと、あの手この手を尽くします。
けれどもやればやるほどふたりの絆は強まり、藍堂の思惑は外れます。
やがて藍堂はそんな琉思と火韻の強い主従の絆を興味深く思うようになって、自分にはそうした存在がいないことに気が付いてしまうのですね。
読んでいくうち、皇太子という何でも出来る立場にありながら実は孤独だった藍堂が段々気の毒になってしまいました。
そして、火韻という存在がなくなれば琉思は壊れてしまうことにも気が付いて、琉思を得るためには火韻も必要なのだと思い至るのです。
琉思が火韻にここまで忠誠を示すのにもちゃんと理由があって、それを知った時にはただの大きな子供にしか思えなかった火韻がとんでもなく立派に見えました。

後半からは藍堂が皇太子の立場を追われる事態になり、3人はどうなってしまうのか!? なハラハラな展開になりますが(若干駆け足なのが惜しい><)、最後はちゃんと3人でハッピーエンドです。
この先も藍堂と火韻は琉思を巡っては悶着を起こすのでしょうが、このふたりはなんだかんだで兄弟みたいな感じで案外気が合ってるんじゃないのかと思います。
特に藍堂は何ものにも代えがたい存在を手に入れたんだなーとしみじみ思ったり。
3人た爛れた関係というよりは、何だか仲間同士の絆を見ていた気分。この読後感はけっこう好きです^^
そしてこのお話は攻めふたりがどちらもいい感じで、受けの琉思が霞んでしまうほどでした(笑)。

ただ、3Pものとしてはありがちかな〜とも思います。
BLでも屈指のぶっ飛んだエロを描く(褒め言葉です!)矢城さんだからこその3Pものが読みたかった! …と言ったらワガママ過ぎますかね??
あ、矢城作品にしてはエロ控えめですが、途中モブ姦ありますのでダメな方はご注意下さい! …そこが唯一矢城作品らしかった! って言ったら怒られますかね??(笑)

イラストの方はTLや少女まんがで有名な方ですね。BL挿絵は初のようですが、受けが女の子みたい(特に濡れ場の表情とか)でちょっと違和感;
っていうか、初のBL担当作が矢城作品ってハードすぎやしないかww
学園モノとかだったらぴったりマッチしたのかなぁ…?

「色街淫花」 矢城米花 / ill.小山田あみ

突然の事故で父親を亡くし、多額の負債を相続してしまった柚木千郷。同じく事故で意識不明の母のために、屋敷だけは手放したくないと思うものの、坊ちゃん育ちの大学生ではなす術がない。途方に暮れる千郷の前に現れた男・国東廉は、自分の経営する遊郭「蘭華楼」で働けば、屋敷を守ってくれるという。差し伸べられた手は、救いの手か黒い罠か――? だが、千郷には自分を商品にするしか選択肢はなかった……。初々しい千郷の美貌は話題を呼び、たちまち売れっ妓になるが――!?

矢城さんでは初ですかね、遊郭ものです。
時代物ではなく現代に遊郭が復活したというパラレル設定ですが、花丸BLACKらしいお話で大満足(笑)。
そして小山田さんのイラストのエロさににやにやが止まりません(笑)。特に口絵の緊縛図が悩殺もの! たまりません!!

会社経営者の父親を交通事故で亡くした千郷(受)は、幹部の横領が元で発生した多額の負債を相続することになってしまいます。
同じく事故で意識不明になっている母のためにせめて家だけは残したいと父親と付き合いのあった人たちに援助を求めるも、まだ大学生でお坊ちゃん育ちの千郷を相手にする者はいません。
途方に暮れた千郷の前に、債権者で遊郭経営者の廉(攻)が現れて自分の店で男娼となって働くなら家は残してやると持ちかけ、他に方法のない千郷は男娼―太夫になる道を選びますが。

遊郭ものといってもBLでは結局受けは攻め以外にやられないのが鉄則なお話が多い気がしますが、そこは矢城作品、受けの千郷は太夫(この作品では「花魁」ではなく「太夫」。作家さんの思い入れがあるのでしょうかね?)としてしっかり働いています。
のっけのお披露目公開水揚げショーに始まって、客として登楼したかつての裏切り者の男を拒否してお仕置き、敵に拉致されて輪姦…と、けっこう散々な目に遭ってしまうわけですが、なにしろ千郷と廉とのラブが終盤近くになってやっと訪れるという内容なので、廉以外とのこうしたシーンで遊郭ものっぽい愉しみが味わえるという(笑)。
矢城さんお得意の触手はさすがに登場しませんが(笑)、凌辱たっぷり、縛りや剃毛(方法にびっくりw)プレイもあってエロいです!
廉とのシーンが最後の最後なのも、もしかして一種の焦らしプレイなのかと思ってしまうほど(笑)。
そうした愉しみはもちろん、遊郭ものとして単純に男女のそれをBLに変換しただけでないところも個人的には大きなポイント。
先輩太夫があくまで娼妓としてのプライドから厳しいあたり、僻みや嫉妬で諍いが…のようなそこだけ無駄にドロドロした女の世界を模すようなことをしていなかったのもよかったです。

お坊ちゃん育ちらしく世間知らずでウブな千郷ですが、けっこう腹が据わっているというか、太夫になったのは自分の選んだ道なのだと一切泣き言を言わないのが見ていて気持ちがいいです。健気(攻めにではなく仕事に対して・笑)だけどなかなかの男前ですね。
そんな千郷のキャラのせいか、ハードなシーンもそこまで痛々しい印象ではないです。
案外世慣れた風に見える廉の方が実は純情だったかも(笑)。

父親の元部下で裏切り者の小笠原が千郷の身売りの噂を聞きつけ客として登楼し、父親の会社が傾いたのは内部の裏切りだけではなく後ろで糸を引いていた黒幕の画策らしいことが明らかになってから、少しお話の雰囲気が変わっていきます。
小笠原に嬲られているうちに母親が亡くなってしまう悲劇が起こり千郷は心が壊れてしまうほど追い詰められてしまいますが、復帰してからは見事に変貌、それまでは愚直なまでに身を売ることしか知らなかったのがなかなかしたたかな太夫となって、復讐を遂げるためにと小笠原から有利な情報を聞き出そうとするのです。
最後まで読むと小笠原はちょっと気の毒でしたね。歪んでいたけれどだいぶ前から千郷に執着していたんだなーとか色々と。
憎まれ役ですが、彼がいたから読み手の私も美味しいシーンを拝めたわけで(笑)、なんだか憎みきれません。
まぁ、その向こうにいた黒幕こそがほんとの酷い奴でしたしね。

そんな千郷の太夫奮闘記(?)や復讐譚がメインといってもいいような内容なので、攻めの廉の印象は薄いかもです(笑)。
育ちのいい千郷とは真逆の生い立ちを持ち実力でのし上がった廉は、初めは冷やかし半分で千郷に身売りしろと言ったものの予想に反して千郷がそれを受けてしまったことに戸惑うのですね。
どうしてそこまでするのか、どこまで弱音を吐かずにやるのか、想定外に頑なな千郷の姿にいつの間にか目が離せなくなってしまったという感じです。
そして千郷は最後まで、廉と想いを通じ合わせた後でさえ頑なで、自分が身請けするという廉の申し出を蹴ってまで太夫として勤め上げてしまうという(!)。
むしろ千郷を身売りさせた廉の方が苦悩するというのもすごく新鮮です(笑)。
想いが通じあった後2年間もおあずけというのは、気の毒というかなんというか。

そんな、最初から惹かれていたのにえらい遠回りをしたふたりのお話でした(笑)。

「茨の呪縛 〜目覚めのくちづけ〜」 矢城米花 / ill.宝井さき

過疎の孤島、茨島には「茨姫」伝承の祭りがある。その姫役を務めることになった加賀見涼は、祭りの途中で、竜成という男に地下洞窟へとさらわれてしまう。涼を助けに来たという彼は、「姫は生け贄で、最後には必ず殺される」と言うのだが!? 追っ手から逃れる暗闇の中で、次々と明らかになっていく島のおぞましい真実。そして涼と竜成の間には、激しくもほのかな愛が芽生えていき……。

ホワイトハートから矢城さんの新刊が出るなんて何かの間違いじゃないかと思ってしまった(笑)。
いったいどういうチョイスなんだろう?w
孤島の奇祭とか鬼とか生贄とか、矢城さんお得意のネタ満載なのは相変わらずでしたが、…やっぱりライトなレーベルからの作品ですからね、いつもに比べると大人しめな感じです(あくまで矢城作品ではですが・笑)。

過疎の進む孤島・茨木島。幼い頃に両親を亡くした涼(受)は、島の大人たちによって宝のように大切に育てられ、18になる今まで島の外にすら出たことがありません。
その茨木島の12年に一度の祭りで涼は姫役を勤めることになりますが、祭りの途中で島の外からきた竜成(攻)に攫われてしまう。島の地下洞窟に涼を連れ去った竜成は涼に、島の住人の正体は鬼で祭りの最後に姫は殺されるのだと告げ、涼を助けに来たのだと言い出します。
あまりに突飛な話を涼は始めこそ信じませんでしたが、思い返せば島の住民には奇妙な部分が多いことに気がつき始め、竜成の言葉を否定しきれなくなってしまいます。
そして島の頭領的存在である茨木たちに終われ逃げる中、島のおぞましい部分が徐々に明らかになっていく。
更に、祭りの時にこっそり仕込まれた催淫剤が涼を苦しめ始め…。

…という眠り姫と日本の鬼伝説が合わさったようなお話で、おとぎ話の展開を踏襲しながら、途中ちょっと乱○の「孤○の鬼」みたいな部分もあったりします。

こういう因習や奇祭が関わってくるBLの受けって大人しめが多い気がしますが、このお話の受け・涼は18歳らしくやんちゃな少年という感じで新鮮でした。
あとがきで「非力ながらも王子のためにがんばる姫、いや、受けがいてもいいんじゃないか」とありましたが、本当にそんな感じです。特別な力があるわけでもないので空回りしてしまうんだけど、とにかくがんばる受け。
王子役の竜成は、29歳にして涼に「オッサン」呼ばわりされているようなぜんぜん王子さまっぽくないタイプですが(笑)、愛着が持ててけっこう好き(笑)。
そんなふたりが、鬼なのだという島の住民たちから逃れて地下洞窟に入り込み何とか脱出しようとするうち、互いに恋をしていくのです。
鬼たちに飲まされた、夜になると効果の出る催淫剤もうまい具合に役に立って(?)います(笑)
祭りの「姫」だから大切にされたことはあってもこれまで涼個人を労ってくれた大人を知らなかった涼が、竜成に気持ちを傾けていくのは自然なことですね。
それから、隔離されて育ったためにこれまで口にたこともなかったチョコの美味しさに目を輝かす涼とか、歳相応な感じで可愛いかったです。

奇祭とか鬼とか生贄とか、もうどれだけエロエロな展開になるのかと思いきや、そこはホワイトハートだからなのか割りと控えめな印象でした。残念←
後になって考えてみると最期までするHシーンはたったの一回という、これほんとに矢城作品?! な事実に気が付いてびっくり。
いつもの矢城作品を期待すると、エロに繋がる要素がたっぷりなだけにだいぶ肩透かしかもしれません。
とはいえ、攻め以外との本番行為こそないものの、涼が祭りの儀式の一貫で鬼たちにいろいろされてしまったりはしているので、苦手な方はご注意ください。
で、エロそのものよりは攻めが布団にされたり(布団のくせに文句を言っている、とかw)受けが抱き枕にされかけたりなど、どこかほのぼのなエピソードに萌えなお話しでした。

主役カプ以外にも、いちばん切なかった拓実やクールに非道だけどイラストともどもかっこいい茨木、最後は成り行きで何かイイ奴になってしまった土熊などなど、その後が気になったり魅力的なキャラが多かったです。

全体的に、エロエロ因習ものというよりは鬼退治がメインになっちゃっている感じの内容で、そういう部分の設定は上手く作ってあるなーと面白く読めたのですが、この内容ならもうちょっと哀愁漂う感じだったらなと思ってしまいました。滅びゆく鬼の哀しさ、みたいなものが。
涼が湿っぽい性格じゃないのでお話全体がどこかカラッとしているのも、そういう雰囲気のない一因かもしれませんね。涼のキャラは好きなので、もどかしいところなんですけどね。。
これってやっぱりレーベルのカラーなのでしょうかね?

それにしても、涼の両親は今頃どうしているんだろうかとか、そもそも涼の戸籍とかどうなってるのとか、色々気になる部分が多かったのも事実。
何より竜成。鬼の肉喰っちゃった彼は大丈夫なのかと気になって仕方がないです…

「共犯者たちの蜜約」 矢城米花 / ill.高崎ぼすこ

ある日、阿見川政士に脅迫状が届く。政士と息子の樹は「社長と秘書で、仲の良い親子」という体面を保ちながら、その裏で樹は父に虐げられて生きてきた。脅迫状の要求通りに金を渡しに出向いた樹は、栂恭介という男に酷い辱めを受けてしまう。「お前の親父がそれだけ憎まれるような真似をしたってことだ」。恭介は、樹を汚すことで政士にダメージを与えようとしたのだ。何の効果もないと知らずに。樹は、理不尽な陵辱に堪え兼ねて、父と恭介の両方に復讐することを決意するが…。危うい謀の行く先は―。

矢城さんの新刊。ラヴァーズはラヴァーズでもGREEDだし、ここから出た前の作品がけっこう凄かったのでいろいろ期待(どんな笑)したんですが、案外あっさりと読みやすい内容。
そして発売前の仮タイトルが「brother」だったので、もしや兄弟もの? と思っていたら違ってました。まぁ若干そういう部分はありましたけれども。

樹(受)は会社社長である父・政士の秘書をして世間では仲の良い親子とみなされていますが、裏では政士に虐げられる日々を送っています。
ある日、政士のもとに金銭目的の脅迫状が届き、傲岸な政士は対応の一切を樹に押し付けて樹は犯人の指示に従い金を持って指定の場所に向かうことになる。けれどもその途上に乗った電車で、犯人・恭介(攻)の仕向けた男たちによって集団痴漢に遭ってしまう。その後は恭介にも犯され、樹は恭介を殺してやりたいと思いますが、恭介が政士に恨みを抱いて犯行に及んだことを知り、自分にとっても憎い存在である政士を消すために共謀を持ちかけることを思い付きます。そして上手くふたりともを殺してやろうと考えますが…。

樹は、実は政士の実の子ではありません。そのために疎まれ続け母親が亡くなってからは性的虐待も受けています。これまで政士を怖れただ従ってきた樹でしたが、政士が原因で恭介の犯行に巻き込まれ挙句に犯されてしまったことで、彼の中で何かか切れてしまう。
初めて政士にはっきりとした殺意を覚えて、彼を欺こうと画策するのです。
イラストからだと薄幸の美青年な印象(いやそうなんですけれども)ですが、結構したたかな策士っぷり。今回のいちばんの萌えどころは樹のキャラですね。こういう、攻め任せではなく自らいろいろ企んじゃうタイプの受けは大好きです(笑)。しかも政士のみならず、攻めも一緒に消しちゃおうとしてますからね。

のっけから樹を集団痴漢させる恭介は、矢城作品では久々の鬼畜攻めかと思いきや、樹が政士の実子ではなく虐待されているということを知った途端に土下座して謝罪するような面を持った男。っていうか、だんだん普通にいい人になってますね(笑)。
まぁ、恭介が樹に対してそうなっちゃうのには理由があるんですが、矢城作品に時々登場する性格の歪んだ鬼畜攻めを期待するとちょっと肩透かしかも。
とはいえ最初の陵辱シーンでは、樹を吊るした上に媚薬や道具を使って責め、それを撮影&画像(顔は写ってない)をネットに流すという酷さですが(笑)。
このほかハードなのは、痴漢シーンと政史のいたぶりシーンなど樹が攻め以外にやられている時ですね。痴漢電車はけっこう萌えましたが(笑)、受けが攻め以外にやられるシチュが苦手な方はご注意ください。

いろいろと策略を練る樹でしたが、樹に対する政史の仕打ちを知って以来気遣いや優しさを示してくるようになった恭介にいつの間にか心地よさと安らぎを覚えるようになってしまい、このまま計画は上手く進むのか、それとも…というのが読みどころ。
恭介が意外なカードを持っていることがお話のカギになっていますが、けっこう早くに判ってしまってあまり意外性が感じられなかったのが惜しいところです。
また、樹が政士に惹かれていく過程が若干不足していて、終盤近くのラブラブな様子にあんたら一体いつの間にそこまで絆が深まっていたんだと思わなくもなくて、それがちょっと残念でした。
最後の高飛びはびっくりしましたが、ああするならこうなるしかなかったですね。

それにしても矢城さんてBL界の中でも屈指のエロ特化作家さんだと思うのですが、意外や近親ものはないんですよね。この作品も、政士と樹は実の父子じゃありませんし。興味がないのかな?
近親ものには興味がないのでべつだん書いてほしいとかは思わないんですけれども;何でもアリなイメージがあるだけに、見かけないのはほんと意外。

イラストの方は初めてお目にかかりますが、痴漢電車など受けが攻め以外に嬲られているシーンで、男たちが男性向けの作品でよくあるような影になっているのがちょっとびっくり。BLでこういうのは珍しいような。…レーターさん、女性ですよね??

「新任教師」下 矢城米花 / ill.天城れの

合宿所を借りきっての凌辱の後、遼也の心には、聖史を欲しい気持ちはあっても今までのように仲間の前で犯したくないという明らかな変化が表れていた。そんな時、聖史の実家に不幸が起こる。クラス委員という名目を使い通夜に訪れた遼也は、そこで親族に冷たく扱われ憔悴しきった聖史を目の当たりにする。さらうように聖史を連れ出した遼也は、クラスの性奴隷という立場をやめさせようと考え始めるが、これまでにも聖史のことで執拗に絡んでいた武仁が遼也の心変わりに気づき…。

立秋以降、夜はだいぶ涼しくなってきましたね。バテ気味だった調子も戻ってきたので、「新任教師」の続きを読みました。
下巻も上巻なみの陵辱プレイのオンパレードなのかと恐々していましたが(笑)、予想外の展開でびっくりです。

合宿以降、互いに抱いている感情が恋だということをようやく認める聖史と遼也。
けれども聖史は教師と生徒という間柄で許されることではないと、遼也から距離を取るようになります。
一方の遼也は、これまで散々酷いことをしてきただけにこの恋が叶うはずはないと思い、せめて聖史をクラスの共同奴隷という立場から解放させようとします。
ふたりともがお互いへの気持ちに気が付かずに離れていこうとしていた時、聖史の両親に不幸事が起こりそれがふたりを急速に近付けていくきっかけになるのですが、武仁が遼也の裏切りに気付いてしまい暗雲が立ち込め始めます。

武仁は上巻で予想していた通り遼也を秘かに好きなのですが、彼なりに彼の片腕的存在でいることに満足しているんですね。その関係を脅かす聖史の存在が許せないわけです。力勝負の単細胞なのかと思っていた武仁の意外な一面に、ちょっと同情してしまいます。
なのに遼也は、武仁は聖史に気があるのではと見当違いの思い違いをしています。
頭が切れ状況把握にも優れているのに、遼也はどうも他者が自分に向ける感情を理解するのがヘタなようです。そういえば聖史の気持ちにもまるで気が付いていないですしね(苦笑)。他の作品でなら隙の無いように見えた攻めが意外なところで抜けていることに萌とか可愛いとか思うところですが、この作品でこれは致命的。
そして武仁相手にこの誤解は、遼也にとって文字通りの致命傷になってしまいます。

下巻で衝撃的だったのはエロ面ではなかったですね。いやエロも、途中にあわやリバ!? な展開になったり(!)と充分に衝撃的ですし相変わらず地雷な方は多くいらっしゃると思いますが、下巻はそこではなく、ここまでやらかしてしまったお話の収拾をどうつけるのか、それが最大の見所じゃないかと思います。
そしてちゃんと納得できるかたちに収められていることに、作者のこの作品への思い入れの深さを感じました。いや、作品と言うよりはキャラへの、かな? ひとりひとりの心理面が、上巻よりも丁寧に描き込まれていて、上巻だけでは「?」だったところも納得ができました。
特に、唐突に両親を失って茫然自失に陥っている聖史に遼也が、なんとしても「生きる」ことに目を向けさせようと、わざわざ嫌われるようなことをやるなど必死になっている姿にじーんときました。
その姿に、彼は単に人に優しく接する方法を知らなかったんだなと。聖史との関係の中で、それを覚えていくようになればいいなと思いました。
そんなわけで、予想外に読後感はいいです(笑)。
そしてこれは、上下合わせて読まないと良さの分からない作品だと思いました。

 ・「新任教師」上

「笑う丞相 鋭き刃の恋物語」 矢城米花 / ill.王一

国の政を司る丞相でありながら、趣味の夜遊び先で盗賊団に誘拐された索冬波。しかし首領の火耶の美貌に心奪われた冬波は、手下たちの目を盗んでその身を犯してしまう。誘拐事件は冬波の部下・興淵の釆配で事なきを得るが、一方の火耶は冬波との一件が手下たちにばれて輪姦されてしまう。そんなプライドも味方も失った火耶に手を差し押べたのは、ほかならぬ冬波だった。初対面の蛮行が嘘のような飄々とした言動で真意を見せない冬波に、火耶はいつしかあの夜のことを思い出すようになり―。

4月に出た「偽る王子 運命の糸の恋物語」のスピンオフ。莉羽にちょっかいかけていた多情な男・冬波のお話です。彼のお相手は何と彼を襲った盗賊の頭(!)。引き続き作品を彩る王一さんのイラストもステキです〜
そして副題の「鋭き刃の恋物語」から連想しそうな危険な感じではなく、意外や全体的に甘めなお話でした。

動乱から2年後。国の丞相として未熟な国王を補佐する立場になった冬波(攻)は、政敵の刺客に命を狙われる日々。
それでも懲りずにお忍びで愛人と密会していたら、盗賊に襲われて囚われの身のなってしまいます。若き棟梁・火耶(受)を始め盗賊団の連中は、襲った相手が一国の丞相であることには気が付いておらず、それをいいことに冬波は彼らを上手く言いくるめる打算を思いつく。
そしてそれだけでは思いとどまらず(笑)、その見目麗しさに目を奪われた火耶を騙して犯してしまう。

火耶は、負けん気が強くて腕は立つけれども冬波の罠にまんまとかかってしまうようなうかつさのある、まだまだ世馴れていない少年。盗賊の頭領をしているのも、死んだ父親を継いだだけであって人望があるためではありません。
そんなまだまだ子供の火耶は、武術の心得はないけれども日々政敵相手に策略を張り巡らせている冬波にはかないません。それゆえに美人には目のない冬波の毒牙にかかってしまうのですが、…ちょっと気の毒ですね(笑)。
当然火耶は自分の矜持をズタズタにした冬波を憎みます。
そして冬波自身にも、この「秘密のお愉しみ」が、その後とんでもないかたちで返ってきてしまう。
冬波を憎んだ火耶は仲間の盗賊と共に彼の屋敷に盗みに入るのですが、その途中で仲間に裏切られ輪姦されてしまう。彼らは火耶が冬波に犯されたことに気付いていたんですね。で、あいつとやったのなら俺たちも、と火耶をいいように陵辱するのです。
そのことを知った冬波は大きな後悔をします。そして火耶を救い出した後は屋敷に留め置き、国が安定するだろう3年後になら自分を殺してかまわないと告げるのですが…。

その後誘惑に負けた冬波が火耶に手を出して快楽に溺れさせるのかな、と思っていたら、意外なことに冬波は紳士です。彼は最初から火耶を気に入っているけれども、自分が原因で彼のプライドを傷付けたことへの責任の方が勝ってもう火耶には手を出すまいとするのです。
前作「偽る王子」で多情な色男という皮を被るしたたかな策士として登場した時は、もっとひどいというか、惚れた相手はそれこそどんな手を使ってでもモノにするような押しの強いタイプなのかと思っていたんですが、意外とヘタレ気味(笑)。
そして最初はひたすら冬波憎しだった火耶も、冬波という人間を間近で見ることでその優しさや意外な優秀さに気が付き、いつの間にか彼に惹かれていく。そして相変わらず政敵から刺客を仕向けられる冬波の護衛のような立場になっていくんですね。
でもお互いが惹かれ合っていることにはふたりともが思い至らないので、すれ違いばかりを起こしてしまいます。
火耶が冬波に対する感情をどう決着させるのか―憎み続けるのか恋していることを認めて彼を守るようになるのかが、お話の帰結に繋がる、という流れです。

エロは意外と(?)標準的な感じです。
矢城作品で異国ファンタジー設定なら必ず出てくる触手も、出てくることは出てくるんですがエロ目的ではなくて攻めを攻撃する存在としての登場。珍しいですね。
あとがきで冬波を触手攻めしてみようかとも思ったけれどやめたとあって、それは見てみたかったようなないような(笑)。もしあったら未知のトビラが開いたかもしれません(笑)。
唯一ヒドイのは火耶が盗賊仲間に輪姦されてしまうシーン。冬波の屋敷に忍び込むため、火耶たちは屋敷には運び込まれる大荷物の中に身を潜ませるのですが、その中でヤられてしまうという。外からは人の往来する気配のある中で気付かれないように陵辱されてしまうある意味「痴漢プレイ」な状態で、ここは矢城さんらしかったです。
そんなハードなシーンがありながらも悲惨な印象がないのは、火耶が矢城作品によく出てくるおっとり大人しめ(でも芯はしっかりしている)タイプではなくかなりやんちゃな「男の子」だからかも。この作品、攻めよりも受けの方が男前かもしれません(笑)。

そうそう、「偽る王子」の莉羽も登場して、ふたりのピンチを助けるなど道士としての成長ぶりを披露していました。雷鬼は名前だけで出てきませんでしたが、ふたりがその後名仲睦まじく過ごしているのが感じられて良かったです^^
王一さんのイラストもきれいで見応えがあり、このシリーズは数ある矢城作品の中ではわりと読みやすいお話なんじゃないかと思います(笑)。

 ・「偽る王子 運命の糸の恋物語」(本編)

「新任教師」上 矢城米花 / ill.天城れの

水沢聖史は臨時採用された私立男子校の担任となる。しかし、委員長の山根遼也の「先生という人種が気にくわない」という理由から、赴任翌日の通勤電車の中で輪姦され、その後も遼也の巧妙な仕切りのもと生徒たちの性奴隷として蹂躙され続けることに。時には取引材料として同僚の体育教師に引き渡され、冬休みには合宿という名目での軟禁凌辱―。数による容赦ない責め苦に何度もくずおれながら、それでも心を失わない聖史に、しだいに遼也の気持ちが揺らぎはじめるが…。

連日暑いですねー。夜も寝苦しくてここのところ何だか睡眠不足です。そんな少々夏バテ気味状態でここのところBLもろくろく読んでなかったりするのですが、そんな最中にこれまたバテそうになるものを読んでしまいちょっと後悔…。
いろいろすごいと評判の矢城さんの「新任教師」上巻です。

聖史(受)は私立男子校に臨時教師として採用され2年生のクラス担任になりますが、クラスの委員長でリーダー格の遼也(攻)の企みでクラスの性奴隷にされ、日々生徒たちに陵辱されることになってしまう。
遼也は表面的には優等生ですがかなり狡猾でねじれた性格をしていて、過去にあったある裏切りが原因で「先生」という存在を憎んでいます。人がよく優しい性格の聖史は彼にとって格好の餌食だったわけです。
聖史は、教室はもちろん通勤電車や同好会の合宿で遼也たちに輪姦され陵辱の限りをされてしまいますが、遼也の巧みな仕切りから逃れることができずされるがままの状態が続きます。けれどもその中で、聖史の、そして遼也のお互いへの感情が変化していくのですが、遼也の片腕的存在で学校一凶暴な男・武仁がそれを快く思わず…。

まぁとにかくノンストップで陵辱・輪姦の続くお話。痴漢電車、SM、ス○トロと、これでもかというくらいてんこ盛りで、ハードな陵辱モノがお好きな方にはたまらないでしょう。
ただ、ノリはBLというより男性向けっぽい感じですので、その辺はご注意下さい。
こんなとんでもない学校があってたまるかーとか、クラス全員が男OKなのかよとか、…っていうか高校生ですよね? とか、突っ込みどころは満載(笑)ですが、全ては陵辱のための設定と納得する他ありません(笑)。
まぁでも、遼也たちが初めて聖史を犯す電車のシーンは、それはいくらなんでもバレるだろとか4人で隠すのは無理なんじゃとか、気になって仕方がなかったですが(笑)。そしてロストヴァージンがこれとは、聖史が気の毒すぎます。
その後は毎日何人もに犯されている聖史のお尻が真剣に心配になってしまいました;
そして快楽に溺れるのではなくいつまでもいやだ辛いと抵抗していす聖史の姿が見ていて苦しいほど。甘さはまるでなく、特に合宿のエピソードはすさまじいです。
そのためかこういうお話はたいてい美味しくいただく私もちょっと食傷気味になってしまいました。

結局はひねくれた優等生が気になった相手に素直になれず酷いことをしてしまい…なお話のようですが、ここまでくると簡単に収まりそうにはないですねー。
遼也の悪友であり腹心でもある武仁の存在が、事を更にこじれさせそうな予感。武仁はたぶん遼也にラブなんだろうなーと思われるので、聖史が更に酷い目に遭わないことを祈ります…!
ところで、中学生時代の遼也を裏切った師範のエピソード、そう来るとは思わずびっくりしてしまいました。中学生ですでにあそこまでしたたかだった遼也にちょっと萌えてしまった(爆)

暑い盛りに読んでしまったためか何だかもの凄く疲れてしまって、下巻は暫くしてから読もうと思います。というか下巻もエロノンストップなのだろうか。。
…もっと涼しくなってから読めばよかった。。
そういえば矢城さんの新刊まだ狩りに行ってないなー。そろそろ行かなくては。

 ・「新任教師」下

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