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  • 2014.07.28 Monday
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「FATHER FIGURE」 Guilt|Pleasure

警察官であるガブリエルには秘密があった。自宅のアパートの窓から見えるその部屋に住む男―彼を自分のものにするために、親切な隣人を装って綿密な計画を立てていたのだ。そして真冬のある夜、ついにその計画は実行された!ガブリエルが思いを遂げた1週間、その小屋で何があったのか!?精神分析医・浅野が手がけた一つのプロファイルがここに明らかになる…!英語圏、中国語圏、韓国語圏などで話題のクライムBLノベル、日本語初翻訳。描き下ろし追加イラスト、新たに彩色したカラーイラスト、日本を舞台に浅野が登場する短編を収録。

「In These Words」で注目されているGuilt|Pleasureさんノベル作品。
「In These Words」でお馴染みの精神科医・浅野克哉がNY時代に手掛けたプロファイリングの一つ、という設定ですが、息子×父というガチ近親相姦の、読む人を選びそうな内容でした。

父親を知らなかった警察官のガブリエル(攻)は、父親であるウリエル(受)の存在を知りある計画を立てる―それは、ウリエルを拉致、監禁して自分だけのものにしてしまうこと。
親切な隣人を装って彼に近づき職権を利用して遂に計画を実行したガブリエルは、人里離れた山小屋にウリエル監禁、首輪で繋いで陵辱する。
やがてふたりが迎える結末は…。

いろいろ消化できないことの多いお話でした。
悲劇に終わった結末に関しては、そうなるだろうなという感じでそこまで拒否感ないですが、そんなことにならざるを得なかったのがなぜなのかがまるで理解できなかった。
何よりキャラの誰一人として共感できる人がいませんでした。
これをやらかしてしまったガブリエルは語り始めている段階でもうまともではなかった、と思えば彼の思考や彼がなぜこうしなければならなかったのか理解できなくても仕方がない、と納得はできるものの、他はどうなんだろう。
はじめあれだけガブリエルの行いに抵抗し受け入れられなかった(のは当然なんだけれども)ウリエルが、突然ガブリエルを許したのはなぜなのか、同じようにその息子(でありガブリエルの弟)のフィリップも彼をなぜ許せたのか、この異常な事件の真相を克哉はなぜ現場の小屋でしばらく考察しただけで「理解できた」のか、さっぱり見えてきません。
ひとつひとつの衝撃的な出来事が書かれていても、キャラの心理描写が欠けてしまっているので「なぜそうなったのか」が見えてこないんです。
これはもう圧倒的な心理描写不足ですね。
こうしたお話は衝撃的なシーンやタブーを犯すシーンがあればいいのでなはくて、読み手にそうする他なかったと納得させるだけのものがないとただ後味の悪いだけのお話になってしまうなぁ、と思ってしまいました。
近親相姦やもはや犯罪の域の執着ものは苦手だから、よけい厳しくなってしまっているかもしれませんが;

克哉の登場はお話の終盤と、本編後に収録されている書下ろしSSのみ。
有能な精神科医としての彼の姿が見られるのかと思っていたんですが、拍子抜けなほどそんなシーンはなかったです。
書き下ろしSSに至っては、彼がいかに男たちを魅了する存在なのかを描きたかっただけ? と思ってしまったほど。へヴィーな本編後ということを考えると、これは不要だったんじゃないのかなぁ。
なんというか、「In These Words」の番外編同人誌を読んだときも感じたことなんですが、作者はアイスクィーン克哉が好きで好きで仕方がないんだなーと。それはいいんですけれど、二次ならともかく自キャラであまりそれをやられると、正直鼻に付きます…。
期待していた作品でしたが、色々と私には合わない箇所の多いお話でした…。

イラストがかなり多くてお得な感じではありますが、すべてペン入れ(この方は筆ペン入れ?)前のラフ画みたいな感じなのがちょっと残念。数を多くするよりも、コミックみたいなかっちりした絵を見たかったかなー。
翻訳はBL作家でもある仔犬養ジンさんがされていて、読みやすい文章でした。
前に翻訳BLを読んで訳に違和感覚えたことがあった時、いっそ英語の堪能なBL作家さんが訳したほうがいいんじゃないのかと思ったことがあったんですが、間違いじゃなかった(笑)

「アカサギ〜詐欺師と甘い鉄枷〜」 沙野風結子 / ill.小山田あみ

結婚詐欺師の槙圭人のカモは、ある条件を備えたノンケの男だ。普通の男たちが自分によって骨抜きになっていく様は愉快で仕方がない。だが、ある日、槙は弁護士の恩田奏源に捕まってしまう。槙の被害者が示談を依頼したのだ。恩田は他の男とは違って、槙の手管が通用せず、槙の金目の持ち物をすべて押収して去って行った。「色恋の案件など反吐が出る」。そう言い残して…。槙は、腹癒せに恩田を次のカモと決め、さりげなく接近を始めるが―!?

久々の更新になってしまいました。もう7月が終わりかけていることにびっくりです;
時間が経つのが早すぎる…というか、ここ二ヶ月ほどの記憶がまぢでないんですけど(汗)
年度が変わってからこっち、人の入れ替わりがあるわ他部署の仕事をかぶることになるわで残業続き、ここを更新する余裕がまったくないです;
とはいえBLが心のオアシスなのは相変わらずなので(笑)、限られた時間の中でも好き作家さんやレーターさんの作品は読んでいるんですけどね。
ゆとりが持てるようになるのはいつなんだろう…と遠い目;;
そんな中で読んだ沙野さんの新刊がもう凄く良くて、読んでからふた月近くになろうかというのに未だ余韻に浸っています。
沙野さんといえば最近は特殊設定ものが多くてちょっと乗り切れないことが続いてたんですが、これはもう、キャラ、お話の構成、エロ、ひとつひとつの言葉の選び方からイラストまで、どこを取っても非の打ち所のないすてきな一冊でした!

男専門で結婚詐欺を働いていた槙(受)は、被害者のひとりが弁護士事務所に駆け込んだことで弁護士の恩田(攻)に捕まってしまう。
元検事の恩田は感情を持ち合わせていないかのような甲冑男で、「色恋の案件など反吐が出る」と吐き捨てて槙の持ち物を押収、示談金に当てて去りますが、その遣り口に憤りの収まらない槙は恩田を次のカモにしてやろうと接近を試みます。
しかし、罠に嵌めたつもりが見透かされて墓穴を掘る羽目になったりやらせるつもりはなかったのに抱かれてしまったりと、思った以上に恩田は手強い。それでもなんとか一矢報いてやろうと躍起になるうち、槙の、そして恩田の感情が変わっていきます。

男相手に結婚詐欺(アカサギ)を働き表面上は軽薄を装いながらも実は辛い過去を抱えていた槙と、冷血な鉄面皮と見えて実は感情表現の乏しいむっつり男・恩田というキャラ組み合わせがツボでした。
そんなふたりが、お互いに落ちる/落とされるつもりのなかった相手に、無意識にどんどんはまっていく様がとっても伝わってきてすごく良かった。男相手の結婚詐欺師という無茶すぎる設定も、すとんと納得のできる具合に収まっているのがすごいですね。
槙と恩田の両方の視点で描かれていたためでしょうか、BLによくある、いつの間にそこまで想い合ってた?? な疑問や違和感がまったくなかったです。
恩田を何とかカモにしようと躍起になればなるほど墓穴になってしまう槙が可愛かったし、他のカモへの嫉妬から遂には貞操帯まで持ち出してしまう恩田の槙への嵌りっぷりがイイです。
感情など持ち合わせていない冷血人間と見せかけて、実は表に感情を出すのが下手なだけでけっこう暑苦しいタイプだったという(笑)。その落差にギャップ萌えですw

始めは軽薄そうに見えた槙が、実はそうではなかったことが印象的でした。
槙が詐欺を働いている本当の理由が彼の悲しい過去にあったこと、そして彼なりの正義だったのかと思うととても切ない。
読んでいたのがちょうど躑躅が咲いている季節だったこともあり、なんか、もうほんと、躑躅の蛍光ピンクを目にするたび胸がきゅーっとなりました。
また、攻めはバツイチ子持ち設定なんですが、よくある取って付けたような子持ち設定じゃなく恩田と彼の息子との関係がお話に深く関わっていきます。
色んな伏線が回収されていく終盤、これは壊れてしまった父と息子の関係の再生の物語でもあったんだな、と。
恩田は槙に自分が結果として捨ててしまった息子の姿を重ね、槙も恩田に父親を重ねていた、というか求めていたのかな。
ラストの再会のシーンは、イラストも含めあまりにも良すぎて涙してしまいました。

エロは決してハードではない(というか沙野さんにしては大人しめ?笑)ですが、なのになぜかとても濃厚です。
始めのガラス越しプレイや先ほども触れた今回の裏テーマらしい(笑)貞操帯などなど、沙野さんならではのマニアックさもちりばめられていますが、プレイそのものよりもその描かれ方の艶っぽさにまいってしまいました。
あとね、「お前を抱きたくて仕方ない」とか「そうだな。私も落とされた」とか恩田のセリフがなんかいちいちツボで、これは槙ちゃん振り回されちゃうよね、とにやにやw
小山田さんのイラストもアングルがすごくてセクシーでたまらんです!

というわけで、ひっさびさにどはまりな作品でした^^
9月に出るラヴァーズ10周年記念の特大版ラブコレに番外編が収録予定だそうなので、そちらも楽しみにしています♪

「In These Words 2」 Guilt|Pleasure

精神科医・浅野克哉に届いた警察からの極秘要請…それは、連続殺人鬼・篠原のプロファイリング。しかもその任務は、殺人鬼からの逆指名だった! そして任務の日から、浅野は悪夢にとりつかれる。顔の見えない男に監禁され、犯される夢。交差する夢と現実。そしてある夜、ついに殺人鬼は牙を剥く――! アメリカ・アジアで大活躍中のアメコミの超人気作家・咎井 淳が描く衝撃の官能BL!!

GWですね。今年も遠出の予定もなく4月がなぜか飲み会続きでフトコロ寒いし(仕事のストレスが…)、家で大人しくたまりにたまったBLを消化中です(笑)。
待ちに待った「In These Words」の第二巻です。いろいろと予想外でびっくりでした。
感想はかなりバレてしまうので、未読の方はくれぐれもご注意ください!!

殺人鬼・篠原によって密室に閉じ込められた精神科医・克哉は悪夢のような過去を暴かれていのか、それとも? ―…とかなりはらはらさせられるところで終わってしまった前回。
雑誌の連載は追っていなかったのでその気分のままこの2巻を読みました。
前回から続く冒頭からしばらくは前回同様張り詰めた雰囲気の中、克哉がどうなるのか篠原の真意は何処にあるのか目が離せなくなったのですが、中盤にさしかかろうかというところでまさかの展開に。

この展開、嫌いではないですが前回の期待からすると肩透かしでした。
というのも別に猟奇が好きだったからというわけじゃなく、前回での張り詰めた気配と謎に満ちた雰囲気がかなりツボだっただけに衝撃の事実が明かされた後に続く過去編の雰囲気が、それまでとはまるで違ったコミカルテイストになってしまっているところに違和感がありまして。
そして、これまでの何を考えているのかわからない不気味さから一転してコミカルになった篠原もですが、なにより克哉のビッチな女王受けっぷりに戸惑います。彼は「アイスクイーン」のイメージが合ってるのにな…。
そういえば同人誌で出た「First, Do no harm」での違和感もこれが原因かもしれません。
でも過去の克哉が一貫してそういうタイプに描かれているということは、こちらが本当の克哉の姿ということなんでしょう。
殺人犯によって監禁された壮絶な時間が本来の彼を崩壊させていた、ということですかね。
そう思うと、それがどのくらい酷いものだったのかが窺えて苦しいし、やはり狂気の沙汰から愛は生まれないんだな、と。
病んだ側の一方的な執着ものが何より苦手な私はこの点に関しては賛同しましたが、でも実はあそこまでくると猟奇殺人犯相手にどうラブに転がらせるつもりだろうかと期待していたところもあったりして、個人的にはそんな話が読みたかった気もします(でも全く想像ができない・笑)。

いろいろ考えるに、私は前回までのこの作品をあまりBLとして読んでなかったんだなと思いました。
だからこそBLでは考えられないような展開や、猟奇殺人犯相手のラブがどう描かれるのかを期待しちゃったのかもしれません。
でも今回、このお話はあくまでもBLなんだなと実感しました。

それにしても篠原…、そうと判ってから1巻を読むと、彼の意味深なセリフの意味するところが見えてきてけっこう切ないですね。どんな思いで克哉を見ていたんだろうかと。BLな部分で求めるとしたら、この辺りをじっくり描いてほしいです。
でも、このまま過去の出来事を連ねて犯人つきとめて終わりではないだろうなと思うので、私はもう一回はどんでん返しある気がします。というか期待しています(笑)。
犯人も、顔を見せはしたもののまだ登場していませんしね。っていうかすみません彼のヴィジュアルがかなり好みで困るんですがw
そして、初回版特典小冊子にもなっている同人誌「New York Minute」と、その続きの「First, Do no harm」で描かれている克哉とデーヴィットの関係は、もう完全に過去のものなのかそれともこのお話に関わってくるのかも気になるところ。
もし前者だったら、それを描いた著者の意図がさっぱりわかりません;

今回は猟奇的じゃない普通の濡れ場もがっつりありますが、アメコミ作家さん故なのかBLというよりどちらかというとゲイ向け作品を読んでいる気分です。
同人誌の「First, Do no harm」と同じ感じで情緒に欠けるかなぁと思っちゃいましたが、この辺は好みによるでしょうかね。
あと、やっぱりこのお話はアメリカを舞台にした方がよかったなとも思いました。日本の女子学生はあんなこと絶対しませんて(笑)

初回特典小冊子になっている「New York Minute」もですが、国内で同人誌発表された「Wrapped Around Your Finger」が巻末に収録されています。
私はこれは2巻を読んでからじゃないと見てはいけない気がして入手してなかったんですが予感は的中で(笑)、克哉と篠原の過去編のこぼれたエピソード。かなりコミカルです。

…というわけで、ちょっとまだギャップについていけてないのでした…。

 ・「In These Words」
 ・「New York Minute」(番外編同人誌)
 ・「First, Do no harm」(番外編同人誌)

「黒き異界の恋人」 遠野春日 / ill.笠井あゆみ

魔界を追放された皇子の従者として、地上で暮らしていたサガン。暇を持て余した彼がある夜、出会ったのは、不思議な眼力を持つバーテンダーの桐宮。実は桐宮は、真の名前をラグエルといい、正体を隠し、天界から地上に派遣されてきた天使だった!? 己と敵対する身分と知らないまま、惹かれていくサガンだが……!?

年末からずーーっと積んでいたお話、やっと読みました。
前に出ていた「蜜なる異界の契約」スピンオフで、個人的に主役ふたりよりもはるかにお気に入りだった攻めの従者サガンが主役です。
…実は前作は内容がどんなだったかもう全然覚えていないのですが; これははからずも触手バンザイ! な内容でとても愉しめました!(笑)

人間の世界とは別の次元にある「我々の世界」から追放された皇子ベレトの従者として人間界で暮らしているサガン(受)は、ベレトに泰幸という恋人ができてからはもともとが世話焼きな性分のためにひとりの時間をもてあますようになっていました。
そんなサガンは、ある夜立ち寄ったバーで不思議な魅力のある桐宮というバーテンダーに出会い興味を持つようになりますが、桐宮の正体は「我々の世界」とは別に存在する「もうひとつの世界」の監視者ラグエル(攻)。
ラグエルの正体に気付かないままサガンは彼に惹かれ、そしてまたラグエルも「闇の貴公子」と称されるサガンの魅力に囚われていきますが、サガンに異常な執着を見せる異母兄のアイムが現れて波乱が起こります。

「我々の世界」とか「もうひとつの世界」とか、ファンタジーな設定が面倒くさいと思う向きもあるかもしれませんが、要するにサガンたちの属する「我々の世界」=悪魔たちの世界で、ラグエルの属する「もうひとつの世界」は天使たちの世界。このふたつの世界は敵対しているわけではなく、お互いに不干渉という設定です。
けれども天使たちは悪魔を自分たちを堕落させる存在と認識していて、悪魔に魅入られた者には厳しい制裁を与えています。
ラグエルは人間界でそれに目を光らせる「監視官」―というからにはかなり潔癖なんだろうなと思いきや、最初の方からわかりやすいほどサガンにはまってしまっています(笑)。それを頑なに認めないのが何だかもうw
前回からツンなキャラだったサガンに関しては予想通りだったからさほど新鮮味がなかったですが、個人的にそんなラグエルがツボにきました(笑)。
ところでサガンに関して意外だったのは、てっきりベレトを想っているんだろうなという予想が外れて従者として彼を敬っているだけだったという。

ふたりが惹かれ合う理由が弱いというか描写不足な気のするところが残念ですが、後半からの触手プレイが圧巻でした。作家さん、もうこれが描きたかったんだろうと思ってしまったくらいw
サガンを何としても自分のものにしてしまいたいアイムはサガンを浚い、ムリにでも契約を誓わせようと触手にサガンを責めさせるのですが、これが凄いの何の、サガンが人間だったらもたないよねと思うほど。久々に触手もの愉しめた気分です。
その後、ラグエルによって救われたサガンは、今度はラグエルによって触手状態の水で責められ(いや洗われてるんでしょうが)て、これはもうファンタジーものならではの美味しさでした(笑)。
前作ではこうしたファンタジー設定を生かしたエロがなくそれも消化不良の一因でしたが、今回は大満足です!
短絡的で容姿も魔獣みたいなアイムは全然好きじゃないですが、でもいちばんイイ仕事をした(そしていい状況を提供した)のはもしかして彼かも?(笑)
その一方で、ベレトもっとしっかりしろと何度思ったか知れませんが。サガンの身に起きた災難は、ベレトがもっとしっかりしていれば全て防げたものなんですよね。泰幸といちゃいちゃしてばかりいるってのはどうなんだろうかと。。
泰幸も所々で顔を出していますがやっぱりどこに魅力があるのかわからなくて、本編カプがますます苦手になってしまいました。

お互いに不干渉でありながら惹かれ合うことの許されないサガンとラグエルに待っていた結末は、こうなる以外にどうしようもなかっただろうなと思うものの、けっこう切なかったです。
ラグエルを救おうとサガンが翼を出そうとして出すことのできなかったシーンは泣けました。
…そしてここではちゃんと間に合ってくれたベレト、やっと面目躍如でしたね。
ハッピーエンドなんだけれどもそれからふたりはどうやって生きていくのか、果たして奇跡は起こるのか、その後がすごく気になって、エロ度の高いお話でしたがそれと同じくらい切ない読後感が印象的な作品でした。

「蜜なる異界の契約」(ベレト×泰幸の本編)

「重婚プロポーズ」 さのふゆこ / ill.中井アオ

祖父が遺した邸を訪れた教師の智孝。クローゼットを開けると、そこには可愛い少年・卯太が蹲っていた。彼は座敷童子だと言う。さらに突如現れた美貌の男・桂は、桂男だと言う。なにやら邸とそこに住む者には特殊な役割があり、智孝に継いでほしいらしい。けれど――「俺の花婿さんになって」「私の花嫁にしてやる」と、智孝との婚礼を望むふたりが、あの手この手で迫ってきて!?

また久しぶりの更新になってしまいました;
読む時間はあっても、書く時間がなかなか確保できないジレンマ…なんてやっぱりちょっと余裕のないこの頃なんですが、この間ようやっとPCをXPから7に変えました。8? あんな使いにくいものイヤだムリだとPCマニアの知人にダンナのも合わせて購入指南から設定まで頼み込んで7に(笑)。
途中、あわや10年分の撮りだめた画像が消えるなんて事態になって右往左往したもののなんとか復活(これだからデジタルは信用できないんだ…)、今はXPではもう見限られた感満載で回線ぶち切れまくっていた某イラスト投稿サイトや動画サイトがサクサク見られる快適生活です(笑)
ぶっちゃけ、ココの更新時も固まって記事が消えた…なんてことによく遭遇してましたから(更新が億劫になっていた大きな理由のひとつ;)、このたぐいのストレスからは解放されそうです^^

というわけで、読んだのはけっこう前だったりする「さのふゆこ」さんの新刊です。改名ではなくて、「シリアスじゃないエロ」を書く時はライト感をだすためひらがなになるのだそうです(笑)。
タイトルやカバー絵のポップさにどのくらいはっちゃけているのだろうかとヒヤヒヤしましたが(笑)、まさかの妖怪もので3Pオチという沙野さんらしい内容でした。
いつもよりもはライトな印象はありますが、しっかり作り込まれた作風は読み応えばっちりでした!

疎遠だった祖父が亡くなり唐突に広大な土地と邸を相続することになった高校教師の智孝。
邸を受け継ぐべきかどうかを決めるため暫く暮らしてみようと邸を訪れた彼の前に、座敷童子だと言う可愛らしい少年・卯太と月に棲む妖怪の桂男だと言う美貌の青年・桂が現れます。
彼らは智孝の一族が代々この土地に妖怪を封じ込める役割をしていたことを告げ、資質はあっても力をコントロールできない智孝には妖怪と婚姻して定期的に夫婦の営みを行うことで力を安定させる必要のあること、そして一族の当主と婚姻した妖怪は法外な力を手にできることを理由に、卯太からは「花婿に」桂からは「花嫁に」なってくれと迫られセクハラ三昧の日々を送ることに。
あまりに現実離れした彼らの話を始めは信じられなかった智孝でしたが、身の回りで奇怪な現象が頻発するのを目の当たりにして信じるようになり、一族が代々果たしてきた役割の意味を理解し受け入れていくようになります。

ただのライトなお話ではなく、妖怪、しかも桂男なんてのを出してくるあたりがイイです(笑)。こういうネタは個人的にツボなのでかなり愉しめました!
また、智孝が男子校の教師という設定のため途中から彼の務める高校が舞台になってお話が進むところなどはまるで学園もののノリで、これまでの沙野作品にないライトな感覚が新鮮でした。

座敷童子の卯太と桂男の桂以外にももちろん妖怪は登場してバトルっぽい展開にもなったりするんですけれど、やっぱりというか何というか妖怪ネタを使ったエロもばっちりあって、きっとニヤニヤされながら書かれたのだろうな〜と思ってしまいました(笑)。
桂の手首から上しかない妖怪を使ってのセクハラも愉しかったんですが、なによりお風呂のお湯触手(っていうかスライムw)プレイがイイ!(笑)
エロはこの他、ショタ攻め(されるほうが好きだけどがんばるとか…もうww)、お医者さんプレイ、同僚教師の前でのまな板プレイなどなどバラエティに富んでいますが、それよりも何よりも3Pですよ!(笑)
BLの3Pものではもはやお約束になっている総受けじゃなくサンドイッチなんです! サンドイッチ、あまり見かけないだけに美味しすぎ…w
ところで、3Pどころか外野入り乱れての複数プレイなんていまさら珍しくもない沙野作品ですが(笑)、でも3人で仲良く終わりを迎えるお話はこれが初ですよね? ありきたりじゃなく捻りを加えてくるところがやっぱ堪らないわと思ってしまいました(笑)。 

途中、智孝の兄が出てきてあわや通常営業の沙野作品になりかかりひやひやでしたが、…この兄は過去にどんな目に遭ってきたんだろうかと気になって仕方がないです。
もしかして、兄絡みでスピンオフあるのかな?

「媚熱」 中原一也 / ill.みずかねりょう

父の失踪の真相は、誰にも知られてはならない──。重大な秘密を抱えて工房を営む、若き鍛治職人の遥人。そこに現れたのは、最も会いたくなかった大親友で幼なじみ──捜査一課の敏腕刑事となった青海だった!!事件捜査で帰郷した青海は、頻繁に訪れては遥人を熱く見つめてくる。この焦がれる視線の意味は欲望か、それとも隠れた罪を暴こうとするものか? 遥人は不安と恋情を煽られて!?

幼馴染みの敏腕刑事×鍛冶職人。ミステリー色の強いお話でした。

父親の失踪事件の真相を隠しながら若き鍛冶職人として工房を営む遥人(受)。彼の暮らす片田舎の町で殺人事件が起こり、幼馴染みで今は捜査一課の敏腕刑事となった青海(攻)が捜査のためにやってきます。
暴かれてはならない重大な秘密を抱えている遥人にとって青海との接触は避けたいものでしたが、成り行きで青海が遥人の家に寝泊まりすることになってしまう。
青海は顔を合わせるたびに遥人に熱い視線を向け、遥人はそれが欲望からくるものなのかそれとも秘密を暴こうとするものなのか判らず戸惑い…。

町で起きた殺人事件と二年前の遥人の父親の失踪事件の真相を追っていくかたちで進むお話。遥人の父親の失踪事件に関しては遥人自身が関わっているらしいが、それは果たして…? というところが大きな読みどころでした。
遥人が実は愛人の子であること、にも関わらず彼が子どもを埋めない遥人の父親の妻によって育てられたこと、育ての母に産みの母親以上の感謝と愛情を持っていてそれゆえに父親を憎んでいたこと、これら遥人の複雑な背景が深く関わってきます。
その辺りの読み応えはあるものの、どちらの事件も真相が私ごときが予想していた通りのものだったという意外性のなさで、もう少し捻りがほしかったです。

ラブ面は、幼馴染みのふたりはすでに互いに惹かれ合っていたけれども遥人が抱える秘密が障害になっているという感じです。その上青海は刑事なのだから、絶対に知られてはならない…みたいな緊迫感も強いです。
こちらはこれをどう乗り越えるのかが見どころですかね。
エロは中原さんにしてはあっさり普通な感じでした。

…てなわけで事件もラブもあっさり…なちょっと物足りない読後感でしたが、ただひとつ、中原さんは受け攻め関係なく「男」の肉体美をエロティックに描くのが上手いなぁと。
このお話の受けの遥人は背中にかつて父親の虐待で受けた火傷の痕があるんですが、そんな背中を見せながら鍛冶仕事をする遥人の肉体描写がエロかったです(笑)。
BLでよくある受けの美しさに着眼した描写ではなくて、あくまでも男としての受けの肉体美にエロスを見出す描写に萌えました!
なので、個人的にはイラストの遥人はちょっと可愛らしすぎるかな。もう少し男っぽい感じの方が良かったかも。

「金銀花の杜の巫女」 水原とほる / ill.葛西リカコ

顔に火傷痕がある幹(みき)は、神の言葉を授かる古い巫女一族の末裔。だが能力は僅かしかなく、巫女は幹よりもずっと美しく力を持つ双子の弟・咲(さき)が継いでいた。そんなある日祖母から、もうすぐ男が幹に会いにやってくると預言される。その言葉通り議員秘書の田之倉(たのくら)が神託を受けに現れた。傷痕など気にもせず幹を美しいと言う優しい彼に惹かれていく幹。けれど咲もまた田之倉に心を奪われて……!?

一ヶ月以上も放置してしまいました。。そして色々と不義理を働いてしまっています。すみません…。
色んなことに追われて気が付いたら3月も後半に差し掛かっていて焦りまくりな上、もともと読むのが遅いもんでここのところは積ん読増やしてばかりですが私はその上に書くのも時間がかかるもので; ここも時間に余裕が無いとなかなか更新ができず…。
年度が明ければもう少しゆとりができるかなぁ? 心ゆくまで萌えな世界に浸りたいーー!…と思うこの頃です。

…なんてぼやきはさておき。
水原さんの新刊読みました。珍しく痛くない話だった上にどうやら初となるらしいファンタジー風味の因習もので、けっこう新鮮でした。
以下かなりバレちゃってますのでご注意下さい。

深い山間の神の言葉を授かる巫女一族の末裔である幹(受)は、哀しい出生のために顔に火傷の痕があり能力もそれほど持っていません。巫女は美しく能力の高い双子の弟・咲が継いでおり、幹は何もかもが正反対のこの弟の影のようにひっそりと生きています。
そんな幹にある日祖母がもうじきある男がお前に会いにくると予言し、その通り数日後、巫女の神託を受ける目的で議員秘書だという男・田之倉(攻)が幹の前に現れます。
顔の火傷痕を気にすることもなく優しく接してくれる田之倉に幹はやがて惹かれていきますが、一方で何処か掴みどころのない田之倉に、同じように咲も惹かれていることを知ります。
田之倉は自分ではなく咲を選ぶだろうと幹が諦めにも似た思いを抱いた通り咲と田之倉は深い関係になって行きますが、しかし田之倉は幹の世界を一変させる存在になるのです。

お話は幹と咲それぞれの視点が入れ替わりながら進みますが、段々奇妙な歪が生じてきて咲は実は…という意外な事実が明らかになっていきます。
実は…なんてぼかすとめんどくさくなるのでもう書いちゃいますが、咲は初めから存在しておらず、そこにいたのは幹ひとりだったんですね。
それが咲が幹の別人格とかではなく、生まれたと同時に死んでしまうことになったその魂を祖母が引き留めていたという設定で、このお話の不思議さを引き立てていました。
ずっと火傷の痕をきにして影のように生きてきた幹がちゃんと存在して、美しく奔放な咲の方が実体を伴っていなかった(というか幹の中に共存していた)というのが意外でしたが、けれどもそんな正反対なふたりが同じように孤独の中にいたことが切なかったです。

そのふたりが揃って孤独を埋めるように田之倉に惹かれるのは分かるんですが、田之倉があそこまで幹(と咲)に惹かれた理由が見えてこなかったのが惜しいですね。
というか、このお話受けの印象の強さに対して攻めの存在感がかなり薄いです。
終盤になって田之倉の正体が明かされていますが、一族との因縁にしろ血縁関係にしろ取って付けたように感じて、攻めの存在感があればもう少し違ったなのかなと思ってしまいました。

一族が幹で途絶えてしまうという避けられない事実があるためなのか全体的に滅び行くものの物悲しさや寂寥感が漂っていて、それが他の因習ものにはない不思議な静けさを感じさせてくれます。
生々しさがない分作り物めいていると感じる人もいるかもしれませんが、私はこの雰囲気好きです。
いつもは線の細いモノクロに味気なさしか感じない葛西さんのイラストも、今回はそれが逆に寂寥感を出していてお話によく合っていました。

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